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地域を支える農林水産業を育んできた能登の豊かな里山里海が、世界農業遺産に認定されて10年がたちました。自然の生態系を守りながらその恵みで生計を立て、独特の文化も伝えてきたことが高く評価され、当時、国内はもとより先進国でも初めての認定でした。
素朴な風土は日本の原風景とも形容され、どこか日本昔話的なイメージになりがちな能登。しかし、地球温暖化や資源枯渇などへの危機感から、「持続可能性」「生物多様性」が21世紀のキーワードとなり、そのモデルとして世界のトップランナーに躍り出たといっても過言ではありません。“10年ひと昔”とはよくいったもので、「世界の目と関心がこれほど能登に集まっているとは」を、昨年11月、能登で開いた国際会議で実感し、胸が熱くなりました。
「活力ある地域づくりに役立てる」も、世界農業遺産・能登の重要なミッションです。認定後、農家民宿の開業が相次ぎ、地産地消の心のこもったご馳走や能登ならではの体験で、多くのリピーターが生まれています。経営が軌道に乗り、「子どもが後を継ぐといって戻ってきた!」と知らせてくださる方もいて、その度に、身内のことのように幸せな気持ちになります。
世界農業遺産効果は想定をはるかに超え、これまでに47社が能登で新たに農業をスタートさせ、耕作放棄地が再生し、働く場が増えています。のと里山空港や無料化したのと里山海道などの基盤整備が、それを後押しする好循環もあるのでしょう。東証一部上場企業が「本社機能の一部を珠洲市に移転」とのニュースにも驚きました。
一番うれしいのは、過疎にうつむきがちだった能登の皆さんが自信を取り戻していることです。これまで気づかなかった魅力を自らの手で掘り起こし、どうすればより輝くかを工夫し、次々と挑戦してみる。これこそが地域を元気にする原点、何よりのパワーだと、わたしの心も弾みます。
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