ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 知事のホームページ - 知事の発言集 - 知事の窓 > 知事の発言集 - 知事の窓 - 2001年新春号
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「やり方が見当違いで目的が遂げられない」という意味で使う諺に、「木に縁って魚を求む」があります。
確かに、木に登っても魚は捕れませんが、最近の研究で、魚の繁殖に上流の森林が密接に関係していることが分かってきました。水源となる森林からしみだす水に、魚介類のエサとなるプランクトンを育てる栄養素がたくさん含まれるのだそうです。
つまり、川の上流にある山の手入れが行き届いていることが、魚介類の成育にとても大切なのです。おいしい石川の海の幸を食べるために、わたしたちは、もっともっと、山や緑に目を向けなければなりませんね。
そして、これまで常識と信じて疑ってもみなかったことを、違う視点から見つめ直すことが、二十一世紀という新しい世紀をつくり出すのだと思います。
郷土の先達に、雪博士として世界的に有名な中谷宇吉郎さんがいます。中谷さんは、『立春の卵』という名随筆の中で、卵は立つにもかかわらず、世界中の人々が何百年もの間、立たないと思い込み、ゆで卵の底をつぶしたコロンブスに感心してきた話を例に挙げながら、常識の盲点の怖さを指摘しています。
いま、企業も教育も、だれもが「創造性」を口にします。しかし、自分の周りに少しでも「変わった人」がいると、その個性を認めるより先に、敬遠する風潮がありませんか。通念に挑戦して、卵を立てようとする人がたくさん出てくるような、創造性豊かな社会に変えていきたいですね。
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