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「仏作って魂入れず」の諺(ことわざ)があります。いくら立派なものを作っても、肝心なものが抜けていたら、それまでの努力が水の泡になることの例えです。
昨年の東日本大震災を教訓にして、石川県では今年、津波災害対策の充実・強化など、「県地域防災計画」の大幅な見直しを行いました。これから皆さんの住むまちごとに、津波から安全に避難するための経路や避難場所を示したハザードマップも作られます。
しかし、ハザードマップを作っただけでは「仏作って…」です。自分や家族の命を守るために、マップを手に自宅から最寄りの避難場所まで実際に歩いてみてください。そうすることで、ふだん気づかない地形の特徴や危険と思われる場所、そして、避難できるまでにかかる時間などがつかめます。
災害では、1分1秒が生死の分かれ目となります。いくら頭で分かっているつもりでも、いざ行動に移すと思い通りにならないことが珍しくありません。いかにして、ふだんから体に覚えさせておくか。これが、防災で「魂を入れる」ことになるのです。
昨年11月の県防災総合訓練では、初めて住民を対象に津波避難訓練を実施しました。会場となった加賀市橋立地区では約1千人の住民が参加され、高台へと避難する際の真剣な表情が印象的でした。皆さん、「津波は他人事でない。今日はいい経験ができた」と声をそろえていました。
今号の特集でも紹介したように、被害を最小限に食い止めるポイントの第一は、まず地域の防災力を高めることです。県が養成に力を入れる防災士がそのリーダー役ですが、ここでも皆さんの中に「地域で助け合う」という意識がないと、やはり「仏作って…」になってしまいます。
皆さんの市町や町内会などでも今後、さまざまな機会に防災訓練が行われることと思います。ぜひ一度参加され、いざという時でも冷静に行動し、住民同士が協力し合えるよう体を動かしてみてください。
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