ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 知事のホームページ - 知事の発言集 - 知事の窓 > 知事の発言集 - 知事の窓 - 2013年冬季号
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日課となっている早朝のウオーキングも、始めてはや10年。雪化粧した兼六園はモノトーンの墨絵のように静かで、梅林では枝先にうっすら降った雪が花を連想させ、春を待ち焦がれます。
まちの中心部で、これほど四季の移ろいと自然の美しさを味わえるのも、石川県民の特権かもしれません。そして、この豊かな四季が人々の感性を研ぎ澄ませ、九谷焼や輪島塗、加賀友禅など数多くの伝統工芸を育て、石川の個性を形づくる土壌になってきたと感じます。
それらの魅力に、兼六園周辺文化の森でたっぷりと触れられるのも石川ならではの贅沢(ぜいたく)。文化の森には、美術館や博物館などがたくさんあり、しかも近世から現代まで、その時代を代表するような美術工芸の名品がそろっています。また、伝統芸能の能楽を鑑賞したり、茶の湯を体験したりもできます。
「文化」というと、とかく堅苦しく考えがちですが、肩の力を抜いて自分なりに味わえばいいのではないでしょうか。とはいえ、私も昨年、招かれた茶会に緊張感いっぱいで足を運びました。実をいうと、自分の不作法でその場を台無しにしてはいけないと、前日、一夜漬けで特訓もしました。
席入りし、かしこまって正座する一同に、茶道裏千家の千玄室前家元は「今日は足を崩してお楽に」とほほえまれました。正座が苦手な私。お言葉に甘えさせていただき、相客(あいきゃく)もあぐらとなった茶席には笑い声が絶えず、それは楽しいひと時を過ごすことができました。
体験しないことには、いいも悪いも分かりません。気ぜわしい日常の中に、ちょっとした心の休暇が生まれるだけで、随分とリフレッシュできます。きっと、「文化っていいな」と思えますよ。
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