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更新日:2020年11月6日

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知事の発言集 - 知事の窓 - 2020年秋季号

国立工芸館オープンで  肩に力の入る2つの理由

  待望の国立工芸館が、兼六園周辺文化の森にオープンしました。「美術館とは違うの?」「そもそも工芸ってなに?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。百聞は一見にしかず。まずは一度、足をお運びいただき、日本を代表する巨匠たちの作品と対面し、その素晴らしさをぜひ感じてほしいと思います。

  工芸は生活を彩る器や衣服、調度などから生まれ、国ごとに違う個性も面白さのひとつ。特に、四季の移り変わりが鮮やかな日本は自然からもたらされる素材が豊かで、そこに繊細な美意識と卓越した技が加わって多様な工芸が花開き、洗練と進化を遂げてきました。

  それらの秀作を収蔵、展示する国立工芸館は日本で唯一の施設であり、日本海側では初の国立美術館となるだけに、県外はもとより海外のファンも引きつけるに違いありません。工芸王国とも言われる石川の魅力を増す力になるのはもとより、一極集中の東京から省庁や企業を地方へ移し、活力ある地域をつくる「地方創生」のモデルとしても大きな注目を集めています。

  だから私の肩にも自然と力が入るのですが、そんな硬い話は抜きにして、皆さんはふだんの暮らしで石川の工芸品をお使いでしょうか。わが家では、食器やインテリアなど随所で活躍しています。また、今回のコロナ禍では、仕切り用のアクリル板の木の縁と固定する脚を伝統的な輪島塗で作った商品や、九谷焼を使ったスマートフォン用ワイヤレス充電器をはじめ、ライフスタイルやニーズの変化に柔軟に対応したクールな品々が登場しています。

  自分のお気に入りの工芸品を見つけることで、きっと日常に新たな楽しみが生まれたり、家族や友人との会話が弾んだりすると思います。そして、石川の工芸品を使う方がもっと増えれば産地が活気づきます。「国立工芸館がそのきっかけになってほしい」と、こちらも肩に力が入る理由です。

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