ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 知事のホームページ - 知事の発言集 - 知事の窓 > 知事の発言集 - 知事の窓 - 1998年新春号
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最近、新聞や雑誌を開くと、「バリアフリー住宅」「バリアフリー機器」「バリアフリータウン」などの文字が、必ずと言っていいほど目に飛び込んできます。そんな字面だけを追っていると、「バリアフリー(障壁の除去)って、建築物や都市整備の問題なのか」と思われる方があるかもしれません。
確かに、高齢者のために階段やトイレに手すりを付けたり、車いすでも不自由なく出歩ける街にしていくことは、とても大切なことです。しかし、本当に取り除かれなければならないバリアは、人間の心に棲む目に見えないバリアなのです。
例えば、「障害者はかわいそうだから、○○してあげよう」。この何気ない言葉の中に、実は最も手ごわいバリアがひそんでいます。つまり、障害者を「気の毒な存在」として、無意識のうちに差別してしまっているのです。
昨年、福祉先進国と言われる北欧へ視察に行ってきました。さすがだと感心したのは、「障害のある人もない人もすべてが対等な社会の構成員」という意識の徹底でした。
それが基本にあるから、仮に障害があっても、残された能力を地域や自宅で十分に発揮できるシステムがうまく機能し、障害者の方も、「自立してやっていこう」との強い意欲を持つことができるんですね。
石川県では、九年度を「バリアフリー元年」として、さまざまなバリアの除去に積極的に乗り出しています。四月からは、バリアフリー社会の推進に関する条例も全面施行となります。街や建物などハード面の改善もそうですが、この「心のバリア」を取り除くために、県民の皆さんとともに頑張りたいと思います。
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