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更新日:2016年7月15日

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知事の発言集 - 知事の窓 - 2016年夏季号

「のど元過ぎても熱さ忘れない」防災を

 

  今年4月の熊本地震、震度7の揺れに2度も襲われるなんて、専門家さえ予想できませんでした。発生当初の混乱が収まるのを待って、余震に警戒しながら避難所などから自宅に戻った方が多くいましたが、その虚を突くように起きた2度目の本震で、倒壊した自宅の下敷きになる犠牲者が出ました。

  台風や豪雨などと違い、地震の正確な予測は科学技術が発達した現代でも極めて困難です。ですから、万一に備えていかに防災力を高めておくかが、被害を最小限に食い止めるカギです。

  まず、自分の身を守るために自宅からチェックしましょう。もし耐震性が足りないなら補強し、屋内の家具も固定して倒れないようにすることが大切。また、「シェイクアウトいしかわ」で多くの方が体験されているように、地震の揺れを感じたら「しゃがむ、隠れる、じっとする」といった安全行動が肝心です。ぜひ、今号の特集を参考に、家族の皆さんと防災について話し合っていただきたいと思います。

 ところで、災害が起こってしばらくは、報道などで現場の様子を見聞きし、防災意識が高まります。ですが、そうした意識は時間の経過とともに薄らぎがちです。犠牲となった尊い命を無駄にせず、災害から学んだことを次に生かすことが、後に残った者の責任ではないでしょうか。

  例えば、震度6強を記録した能登半島地震を機に、県では地域で自主防災組織のリーダーとなる防災士の育成に力を入れ、発生から9年余りがたった今日、おかげさまで人口比では全国トップクラスの約3千9百人となっています。県内の町内会数はおよそ4千なので、もう少しで1町会に1人の防災士がいる計算になります。

 「のど元過ぎても熱さ忘れるな」。こと防災に限っては、この言葉を諺(ことわざ)としたいですね。皆さまも自宅での対策だけでなく、地域で行われる防災訓練などに積極的に参加され、防災の盲点である「忘れる」を時々リセットしながら、かけがえのない命と財産を守ろうではありませんか。  

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