知事の発言集 - 知事の窓 - 2012年春季号

「夏山から」と言わず　魅力いっぱいの白山へ

 　
　　県庁最上階の展望ロビーから眺める白山。青空に映える真っ白な姿は格別です。私も、副知事時代と室堂ビジターセンターがリニューアルした平成14年の2度登っています。雲間から昇る感動的なご来光、雷鳴とどろく土砂降りの中の登山、色とりどりに咲く高山植物など思い出は尽きません。

　　時間をかければだれでも登ることができるのが白山のいいところです。この素晴らしい自然に気軽にふれていただきたいと、昨年、登山道沿いにある甚之助避難小屋をリニューアルしました。さらに、今年は室堂のトイレの改修に着手するほか、7月には、室堂に個室のある新宿泊棟が白山観光協会によりオープンされる予定で、さらに使いやすくなります。

　　白山の魅力は登山だけではありません。滋味豊かな白山ろくの食材を使い、オリジナリティにこだわった新しい郷土料理｢白山百膳｣や、白山をイメージしたスイーツ｢白山もんぶらん｣、名物のそばなど、県境というバリアを越えて各店が腕を競う自慢の味覚に舌鼓を打つという食の楽しみも見逃せません。

　　今年は、白山が国立公園に指定されてからちょうど50年。石川、富山、福井、岐阜にまたがる白山を中心にすえ、行政と地元が力を合わせて白山の自然や歴史、食、文化などを発信していきます。近年、増えている中高年や“山ガール”と呼ばれる女性の登山者だけでなく、白山を訪れるファンがたくさん増えるものと期待しています。

　　待ち遠しかった本格的な春もすぐそこまで近づいています。「7月の夏山開きになったら」と、もったいないことを言わず、木々が芽吹いた山里の空気を胸いっぱいに吸い込めば、心身ともにリフレッシュすること間違いなし。白山は目に舌に、そして心にも、たくさんのご馳走を運んでくれるでしょう。
　　

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