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更新日:2011年2月4日

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知事の発言集 - 知事の窓 - 2011年冬季号

石川のかけがえのない宝“SATOYAMA”

国連が定めた国際生物多様性年の「クロージング・イベント」が昨年末、石川県で開かれ、さまざまな生きものを育む自然の象徴とも言える里山里海の素晴らしさを、国内外から訪れた多くのゲストに強く印象づけることができました。

 生物多様性と言ってもピンと来ないかもしれませんが、地球上には、実に3千万種を超える生きものがいます。一方、絶滅する生きものは近年急増し、国連の調査によると、1日に何と100種を超えるそうです。

 昨年から、いしかわ動物園でトキの分散飼育が始まり、待望のヒナが誕生しました。ただ、彼らが再び石川の空を舞うまでには、解決すべき課題が山積しているのも事実です。

 彼らの住み家でもある里山では、農林業の担い手の高齢化と過疎化が進み、荒廃のピンチに立っています。県では誘致した国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットなどとも連携し、貴重な里山や里海を守り伝えていくことに力を入れてきました。

 そして、今号の特集でトキをシンボルとした県独自の生物多様性戦略ビジョンをはじめ、多くの取り組みを紹介しましたが、里山里海の保全には企業や県民、ボランティアの皆さんのご協力が欠かせません。

 今や里山は世界でも“SATOYAMA”と表記され、環境の世紀を迎えて注目度が高まっています。人間が自然と共生してつくり上げた里山里海が、石川を世界に発信するかけがえのない宝にもなると確信しています。

 今年は、里山に人の手を戻し、活用することで新たな魅力を創造するスタートの年にしたいと張り切っています。本格的な里山の創世に向け、一人でも多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

 

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