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ある朝、開いた新聞記事に目が釘付けになってしまいました。『日本からメダカが消える』。環境庁の発表した絶滅のおそれがある淡水魚の中に、あまりにも身近なメダカが含まれていることを知り、ショックを受けてしまいました。
子どもの頃、水ぬるむ春が来るのを待ちかねて近くの田んぼへ飛んでいき、よくメダカすくいをしました。手のひらの中でキラキラ跳びはねるメダカは、小さな宝石のように思えたものでした。当時は、さっと手ですくえるぐらいメダカも群れをなして泳いでいました。
高度成長とともに、メダカの住む小川や池が開発で埋め立てられたり、コンクリート水路に変わったせいもあるんでしょうが、それにしてもです。戦後、モノはあふれるぐらい豊かになりました。でも、その陰で、犠牲になったものや置き去りにしてきたものが、数え切れないぐらいあったと言わざるを得ません。
いよいよ2000年がスタートしました。新しい千年の幕開けは、戦後、効率性や利便性の物差しを基準に切り捨ててしまった“宝物”をよみがえらせる始まりの年にしたい、と強く思っています。
メダカの学校は、やはり川の中にあるべきで、水槽の中では歌にもなりません。今号でも特集しましたが、石川県では昨年から、小学校でメダカを増やす活動をしたり、野生生物の生息環境を再現するビオトープづくりに乗り出しています。皆さんにもぜひ、そーっとのぞきに来ていただき、小さな命のすばらしさに触れ、大切なものを見つめ直す機会にしていただければと思っています。
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