ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 知事のホームページ - 知事の発言集 - 知事の窓 > 知事の発言集 - 知事の窓 - 2020年春季号
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県内の酒蔵ではこの季節、酒づくりの仕込みが無事終わったことを祝う「甑倒(こしきだお)し」の宴が開かれます。甑は酒米を釜で蒸す時に使う道具で、「倒し」とは今シーズンの蒸し米作業がすべて終了し、甑を丁寧に洗って片づける意味だそうです。
仕込みの期間中、杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)は正月返上で蔵に泊まり込み、酒造りに全神経を注ぎます。その緊張から開放され、久しぶりにゆっくり酒の飲めるめでたい宴。この「甑倒し」が済むと、いよいよ新酒がお目見えしますが、今年は本県が独自に開発した酒米「百万石乃白(ひゃくまんごくのしろ)」で醸した酒がデビューするとあって、ワクワクドキドキなわたしの胸の中です。
口当たりがすっきりまろやかで、雑味のない高品質な大吟醸をつくるには、デンプン質の詰まった中心部まで精米しても割れない酒米が不可欠です。「山田錦」がその代表格ですが、残念ながら石川県は日照時間の関係で栽培に適さず、やむなく兵庫県などから買っています。しかし、全国的な山田錦人気で確保が年々、難しくなり、県では地酒王国石川の名に恥じないよう、山田錦に匹敵する新たな酒米の開発に着手しました。
10年余の試行錯誤を重ね、ようやく完成した「百万石乃白」。早速、テスト醸造を行い、わたしも試飲に立ち会いましたが、フルーティーな香りと透明感のある上品な飲み口に驚きました。酒蔵の皆さんも笑顔で、「これで杜氏も酒米も水も、オール石川でつくれる!」と商品化が決まりました。
わが家の晩酌タイムの一杯目は、いつも石川の大吟醸酒。同じ大吟醸でも酒蔵で味が異なるのも楽しみです。これから店頭に並ぶ「百万石乃白」の新酒は、これまで日本酒を敬遠気味だった女性にまず飲んでいただきたいと思います。「日本酒っておしゃれ」「ワインみたいに飲みやすい」など、目ならぬ”舌からウロコ”の体験が待っていますよ。ぜひお試しください。
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