ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 知事のホームページ - 知事の発言集 - 知事の窓 > 知事の発言集 - 知事の窓 - 2011年秋季号
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石川県が10年を超える歳月をかけて育てた高級ブドウ「ルビーロマン」が今年、東京に本格デビューしました。そのトップセールスに行った青果物の取扱量日本一を誇る大田市場では、卸売業者から「粒の大きさ、色合い、ジューシーな甘さのどれをとっても申し分ない」、「こんなブドウを待っていた。もっとたくさん出荷してほしい」とのお褒めの言葉を次々といただきました。
決してリップサービスではなく、この日のセリ値の平均は一房8千円。最高額の10万円で競り落としたデパートの担当者も「この値段でもすぐに売れますよ」と太鼓判を押していました。
ブドウと言えば山梨県の巨峰や岡山県のマスカットが全国ブランドですが、ルビーロマンはそれらのさらに上を行く“高値”の花です。同行された県内農家の皆さんと喜びを分かち合うとともに、農業も「作ったものを売る」から「売れるものを作る」ことがいかに大切かということを痛感しました。
同時に、生産量や知名度では先行する産地に勝てなくても、全国に通用する農業の姿が見えた気がしました。例えば、モノづくり企業では市場規模は小さくても、その分野で圧倒的なシェアを誇る「ニッチトップ」企業があります。農業でも、消費者ニーズを敏感にキャッチすることに加えて、ターゲットを徹底的に絞り込み、そこへ品質にこだわり、安全性に優れた農産物を提供することだと思います。
購買層は国内だけとは限りません。今や情報は国境を越えて瞬時に行き交います。今年7月、ルビーロマンの初値で一房50万円がついたニュースを、アメリカの経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)」が報じていました。
そして、活力と夢のある農業をつくるための応援団となるのが、まず地元で「おいしい!」と声をあげてくれる県民の皆さんです。私もその一人として、これからの味覚の秋に臨みます。
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