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更新日:2010年4月2日

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知事の発言集 - 知事の窓 - 1997年新春号

行政をもっと住民の身近に

「地方分権」という言葉から、どんなイメージを連想されますか。日常生活とかけ離れた「国と地方の権限争い」と思われている方も多いのではないでしょうか。ところが、地方分権ほど私たちの暮らしを変えるものはないのです。

例えば、幼稚園は文部省管轄の教育機関ということで、午後三時ごろに閉園する所も多いようです。働くお母さんたちは、もっと遅くまで預かってほしいと思いますよね。バス停を一つ動かすにも運輸省の認可が必要なんです。

こんなことは、住民の身近にいて、地域のことを一番知っている県や市町村が決めればいいことだと思われませんか。地方分権が進めば、住民の皆さまのニーズに合った行政サービスができるのです。

でも、その前には、中央集権の厚い壁があります。分かりやすく言えば、「国が頭脳で、地方は手足」という中央の発想と上意下達のシステムです。確かに、中央集権は先進諸国に追いつき追い越せの効率優先主義の時代には有効でした。しかし、個性や心の豊かさが求められるこれからの時代には適していないようです。

地方分権は国から与えられるものではありません。地方自らの意志と努力で築き上げていくものです。昨年、私も含めて十県の若手知事が「地方分権で生活を変える自治体連合」を結成したのも、地方分権を何とか国民的な運動に盛り上げていきたいとの熱い思いからにほかなりません。

ぜひとも、皆さまにもご理解をいただき、多様な個性が輝く豊かな石川県をつくっていこうではありませんか。

   

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