緊急情報

閉じる

現在、情報はありません。

ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 議案説明要旨(令和6年第2回県議会定例会) - 令和6年5月28日 -

印刷

更新日:2024年5月29日

ここから本文です。

議案説明要旨(令和6年第2回県議会定例会) - 令和6年5月28日 -

目次

内容

本日、ここに、令和六年第二回県議会定例会が開かれるにあたり、最近の県政の状況と提案をいたしました一般会計補正予算及び特別会計補正予算並びにその他の諸議案につきまして、その大要をご説明申し上げます。

はじめに

天皇・皇后両陛下におかれましては、三月二十二日、先月十二日の二度にわたり、被災地をご来訪いただき、現状をご覧いただくとともに、避難所をご訪問いただき、被災者の方々に慈愛に満ちた優しいお言葉をおかけいただきました。両陛下の温かなお心遣いは、被災者の大きな励みとなったものと考えており、心より感謝申し上げます。

一昨日、大の里関が、大相撲五月場所において、本県出身力士として三人目となる幕内最高優勝の快挙を果たされました。昨年五月の初土俵から七場所での優勝は史上最速の記録であり、今回の優勝は、被災地の方々をはじめ県民に感動と勇気を与えたものであります。この栄誉を心からたたえるとともに、益々のご活躍を心からお祈り申し上げます。

令和六年能登半島地震の発生から五カ月が経過しようとしております。この地震による被害は、死者二百六十名、行方不明者三名、重軽傷者一千二百名、さらに県内全域で八万一千棟を超える住家被害が発生しております。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様方に対して心からお見舞い申し上げます。

先月、私から直接、岸田総理をはじめ、各大臣、与野党の皆様に対し、これまでの支援に対する御礼を申し上げるとともに、復興基金の創設をはじめ、復旧・復興に向けたさらなる支援を要請したところであります。復興基金については、六月を目処に創設する旨の表明がなされたところであり、詳細が判明次第、速やかに基金の設置に係る条例や予算について追加提案したいと考えております。

本年度の当初予算は、地震からの復旧、そして能登の創造的復興の実現に向けた施策を最大限盛り込み、県政史上初めて、一兆円を超える規模で編成したところであり、その執行に全庁挙げて取り組んでおります。

今回の補正予算には、先月使用決定された国の予備費で措置された支援策も最大限に活用し、復旧・復興の現状を踏まえ、必要となる施策を最大限盛り込んだところであります。

ページの先頭へ戻る

創造的復興に向けた取り組み

まず、創造的復興に向けた取り組みにつきましては、三月に策定した「石川県創造的復興プラン(仮称)」の骨子を基に、首長との意見交換に加え、先月には、被災地を中心に高校生を含めた若い世代にも多数参加いただいた「のと未来トーク」を計八回開催したほか、二度にわたる復旧・復興アドバイザリーボード会議など、様々な場面で多くのご意見を頂いたところであります。

これらを踏まえ、去る二十日に開催した第三回「復旧・復興本部会議」において、「教訓を踏まえた災害に強い地域づくり」など四つの柱と十三の創造的復興リーディングプロジェクトからなる「石川県創造的復興プラン(仮称)」の最終的な案をとりまとめたところであり、今議会でのご議論を踏まえ、来月中に策定したいと考えております。

ページの先頭へ戻る

「生活の再建」について

次に、「生活の再建」についてであります。

仮設住宅の建設につきましては、国土交通省、全国の自治体から職員を派遣いただくとともに、建設関連団体の協力を得て、鋭意、整備を進めております。現在、市町の要望戸数約六千六百戸の九割を超える約六千二百戸を着工し、昨日までに、約四千二百戸が完成いたしました。このうち二年間の供与期間後も、住み続けることを想定した木造仮設住宅については、昨日までに百六十八戸が完成し、今月十四日からは輪島市南志見地区の六十二戸で入居が始まったところであります。

引き続き、市町等と連携し、希望する被災者の皆様が一日でも早く入居できるよう、建設を加速させ、八月中には市町の要望戸数全ての完成を目指してまいります。

液状化による被害を受けた宅地・住宅の復旧につきましては、国に対し、調査の実施や支援を要望するとともに、県としても復興基金を活用した支援策を検討してまいりました。被災された方々に、一日も早く県としての支援メニューをお示しするため、基金の創設を待たずに、支援制度を創設することといたしました。具体的には、住宅の地盤改良、傾斜修復等に係る工事費に対し、平成二十八年熊本地震における支援制度を上回る水準の支援を行うことといたしました。

住宅の耐震化への支援については、今般の地震により被害を受けた新耐震基準で建てられた住宅も補助対象に加えるほか、住宅の耐震化と合わせて傾斜修復を行う場合は、その費用も新たに補助対象とするとともに、当初予算の助成枠を拡充することといたしました。

避難状況につきましては、被災地でのインフラ復旧や仮設住宅の整備に伴い、避難者数はピーク時の約三万四千人から九分の一となりましたが、今なお約三千六百人の方々が避難を余儀なくされております。このうち二次避難者についても、ピーク時の約五千名から三分の一となりましたが、今なお約一千六百名の方々が二次避難を余儀なくされております。避難者が安心してふるさとに戻れるよう、生活再建に向けた道筋を丁寧にお示しするため、引き続き、インフラの復旧状況や各種支援制度等について、郵送、オンラインなど様々な方法で情報提供するほか、対面型の相談会を県内外で開催してまいります。

被災者の孤立防止や健康維持につきましては、発災以来、避難所を中心に、全国から派遣いただいた医療・福祉の災害派遣チーム等により、被災者のこころのケアやリハビリテーション支援などが行われてきましたが、避難所での集団生活から、自宅や仮設住宅での生活への移行に伴い、被災者の孤立や運動不足、食生活の乱れ、ストレスによる心身の不調などが懸念されております。このため、災害関連死を防ぐ観点からも、個別訪問による見守りや相談支援を行うとともに、精神科医等による被災者のこころのケア、リハビリテーションの専門家による体操教室や管理栄養士による栄養指導の実施など、被災者の状況に応じ、きめ細かく支援を行ってまいります。

また、仮設住宅等において、高齢者や障害者等が安心して暮らすことができるよう、食事や入浴等のデイサービスや相談支援などを提供する拠点の整備を行う事業者に対し、市町と連携して支援を行うことといたしました。

さらに、仮設住宅等において、市町やNPOなどと連携した地域のつながりを深めるイベントの実施や、石川ユナイテッドと連携した所属選手によるスポーツ教室の開催など、住民同士が住宅の外に出て触れ合う機会を創出し、被災者の引きこもり予防や健康維持を図るとともに、地域コミュニティの再建を後押ししてまいります。

市町の被災者情報の把握を支援する被災者データベースにつきましては、今後、市町のニーズを踏まえ、義援金や給付金等の各種支援の受給情報を確認できるよう機能を追加することといたしました。さらに、国や市町、県外の自治体や有識者等からなるワーキンググループを設置し、今回の本県の取り組みの成果や課題の検証を行い、「能登モデル」として全国展開してまいります。

災害時のデジタル技術の活用につきましては、被災者データベースのほか、県と市町が共同利用する物資管理システム、ドローンによる緊急物資配送など、国や民間事業者の協力のもと、様々な取り組みを進めてまいりました。災害時に備え、平時からデジタル技術を活用するいわゆる「フェーズフリー」の取り組みの重要性を認識したところであり、マイナンバーカードの日常利用を促進するほか、公民館等をモビリティ・ハブと位置づけ、ドローン等による物流や移動の拠点として活用するなど、「奥能登版デジタルライフライン」の構築を目指し、国や市町等と連携して検討を進めてまいります。

介護・福祉人材の確保につきましては、従来から人手不足が深刻な介護・福祉業界において、地震により、職員の離職が相次いでいることに加え、職員の業務負担の増加により、さらなる離職が懸念され、喫緊の課題となっております。このため、離職防止や復職の促進、新規就労者の確保などのために、事業所が職員に支給する特別手当などの経費を支援することといたしました。

奥能登地域にお住まいの妊婦につきましては、被災により市立輪島病院が分娩を休止し、七尾市以南の医療機関で出産せざるを得ない状況となっております。このため、今般、国の制度を活用し、遠方の医療機関で出産する必要がある妊婦の交通費や、出産に備えたホテル等での事前宿泊費を支援することといたしました。また、現在、七尾市内ではホテル等の確保が困難なことから、医療機関での事前宿泊に対して、県独自に支援することといたしました。

能登の財産、地域の絆となっている祭りにつきましては、今般拡充する「いしかわ県民文化振興基金」に祭りの再開に向けた支援枠を新設し、各地域の状況に応じて、準備から開催に至る一連の取り組みを支援することとし、地域コミュニティの再建につなげてまいります。

教育環境の確保につきましては、被災地外に避難している奥能登の県立高校の生徒の学習環境を確保するため、先月、県立内灘高等学校のほか避難先の近隣の高校において、在籍校のオンライン授業などを受けることができる環境を整備いたしました。

部活動の機会の確保については、グラウンドや体育館が被災した奥能登の県立高校では、他の地域に移動して活動している実態を踏まえ、移動に要する経費を支援することといたしました。

私立専修学校の生徒につきましては、被災世帯への授業料等の減免を行う学校に対する支援を行うことといたしました。

支援者の宿泊拠点につきましては、のと里山空港ターミナルビル横の県有地に仮設宿泊所の整備を進めており、先月末までに八十八室の運用を開始し、来月末までに二百室を追加する予定としております。また、珠洲市や穴水町においても、七月中旬までの運用開始に向け、それぞれ五十室の整備を進めております。

支援者の仮設宿泊所の拠点となっている、のと里山空港エリア周辺には、飲食できる場所が少ないことから、空港の駐車場の一角に仮設の飲食店舗を整備することといたしました。この運営を被災した飲食事業者に担っていただくことで、生業の再建にもつなげてまいります。

また、被災した奥能登の古民家等を支援者の宿泊施設として活用できるよう、宿泊事業者による改修を支援することといたしました。将来的には、移住者の住まいや民泊等としての活用も見込み、市町と連携し、取り組んでまいります。

民間支援団体との連携につきましては、発災直後から、多くの支援団体に様々な活動を行っていただいており、企業やNPOなど多様な主体に参画いただく重要性を認識したところであります。今後、復旧・復興の進捗に合わせて、被災者の支援ニーズの多様化が想定されることから、民間ならではのネットワークを活用し、ニーズに応じて被災地への様々な支援を調整する役割を担う官民連携の支援組織「能登官民連携復興センター(仮称)」を設立したいと考えております。今後、先進事例となる他県のNPOや有識者のほか、市町、県内の支援団体などのご意見を伺いながら、準備を進めてまいります。

高等教育機関との連携につきましては、県内外の学生に地域での学びの機会を提供する「いしかわサテライトキャンパス」構想を推進することとし、特に能登地域においては、発災後、県内外の多くの学生ボランティアが活動していることから、こうした学生ボランティアと地域住民等との交流を促進し、関係人口の創出につなげてまいります。

災害ボランティアにつきましては、発災直後からこれまで、県内外から延べ十万人を超える方々に、被災家屋の片付けや、災害ごみの運搬などの支援活動に参加いただいており、改めて心より感謝申し上げます。被災地の復旧・復興には、今後も多くのボランティアの皆様の力が必要であることから、ベースキャンプを、穴水町の旧向洋中学校に加え、今月十三日から新たに、日本航空学園の能登空港キャンパス内にも設置したところであり、引き続き、ボランティア活動が円滑に進むよう、支援してまいります。

義援金につきましては、国内外から六百五十億円を超える額が寄せられており、改めて、心より感謝申し上げます。先月開催した配分委員会では、第二次配分として、お亡くなりになられた方に対する配分と半壊以上の住家被害の程度に応じた配分の大幅な積み増しとともに、新たに、県内各地で発生している半壊に至らない住家被害に対する配分が決定されたところであります。残る義援金についても、できるだけ早くお配りできるよう、早ければ来月にも配分委員会を開催し、第三次配分について決定することとしております。

ページの先頭へ戻る

「生業の再建」について

次に、「生業の再建」についてであります。

被災事業者の支援につきましては、「なりわい再建支援補助金」等を活用した施設・設備の本格的な復旧には相当の期間を要することが見込まれることから、早期の営業再開に向け応急的に必要となる仮設施設等の整備費を支援することといたしました。さらに、被災した小規模事業者による施設の修繕等を支援するため、国の「持続化補助金」に、県独自に上乗せ支援を行うことといたしました。

資金繰りへの支援については、長期かつ柔軟な返済を求める事業者ニーズに応えるため、借入初期の返済額を抑えた、融資期間十五年以内の低利かつ信用保証料を免除する融資制度を創設することといたしました。

伝統工芸産業については、輪島塗の仮設工房が整備されるなど事業再開に向けた動きが見られつつあります。また、全国の自治体や企業等において、被災地の応援のため、本県の伝統的工芸品の販売会を開催いただいているほか、県としても、十一月の「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」において、被災事業者による展示即売会や、食材・食品、伝統的工芸品など能登の食文化の魅力を一体的に発信するイベント等を開催することとしております。

酒造業については、被災した能登の酒蔵の多くが、金沢以南の酒蔵から施設・設備の提供を受けて酒を造る共同醸造に取り組んでいるところであります。能登での事業再建には相当の期間を要することが見込まれることから、共同醸造による人件費等の追加コストや商品保管庫の借り上げに対する支援を行うなど、県内の酒蔵が連携・協力する取り組みを後押ししてまいります。

雇用対策については、事業者や労働者が抱える課題を把握し、必要な支援を迅速に講じるため、奥能登行政センター内に「ILAC能登」を設置することといたしました。ここを拠点に、ハローワーク等とも連携し、在籍型出向制度のさらなる活用促進や、従業員の宿舎確保に要する経費への支援を行い、雇用の維持・確保を図るとともに、被災地のニーズに合った業務の切り出しを支援し、求人と求職のマッチングを促進してまいります。

営農再開に向けた支援につきましては、農地や用水路の応急復旧、苗の調達への支援等を実施してきたところであり、奥能登における作付面積は、水稲で昨年の約六割、春に作付けする野菜で昨年の約五割となる見込みであります。作付けができない水田においては、今後、肥料効果を有する地力増進作物の作付け等による農地保全を促進し、来春の作付けにつなげてまいります。

水産業につきましては、これまで、操業可能な港について、操業に必要な氷や燃油の確保に対する支援を実施してきたところであり、今般、夏以降に漁業が再開される見込みとなった輪島港についても、同様の支援を行うことといたしました。

畜産業につきましては、中山間地域に位置する施設の用地に甚大な被害が生じていることから、畜舎本体の復旧への支援に加え、施設用地の整地について県独自に支援することといたしました。また、配合飼料価格が依然として高止まりする中、地震被害により、畜産農家の経営が一層深刻な状況となっていることから、引き続き、県独自に価格高騰分の一部を支援することで、畜産農家の経営を下支えしてまいります。

「いしかわ応援旅行割」につきましては、これまで延べ約三十七万人にご利用いただき、観光需要の喚起に大きな効果があったものと考えております。引き続き、二次避難者と観光客の受け入れの両立を図りながら取り組んでまいります。なお、能登地域において実施する、より手厚い旅行需要喚起策については、観光施設や宿泊施設の復旧状況、支援者の受入状況を見極めながら、地元市町、関係者のご意見も踏まえ、国と実施時期を協議してまいります。

消費による応援の気運醸成につきましては、「応援消費お願いプロジェクト」として、能登の産品の県内外での販売促進フェアなど、様々なイベントを切れ目なく展開するとともに、メディアへの露出を図るなど、あらゆる機会を通じて応援消費の拡大を図ってまいります。

ページの先頭へ戻る

「災害復旧等」について

次に、「災害復旧等」についてであります。

道路につきましては、被災地の復旧・復興に不可欠なインフラであるため、幹線道路から生活道路まで、発災以降、早期復旧に向け全力で取り組んでおります。

その結果、能登の大動脈であるのと里山海道については、三月に輪島方面への通行止めを全て解除し、残る金沢方面については、七月末までに、穴水町の能登大橋付近を除く全区間で対面通行が可能となる見通しとなりました。

また、被害の大きかった外浦沿岸部の国道二四九号については、珠洲市大谷町など四カ所を除き啓開が完了し、主要地方道輪島浦上線についても、輪島市赤崎町から鵜入町間を除く区間で啓開が進んでおります。

水道につきましては、国や日本水道協会等の応援により応急復旧に全力を挙げて取り組んできた結果、土砂崩れや多数の建物倒壊などの影響により早期復旧が困難な地区を除いて、今月末までに、断水が解消する見通しとなっております。

しかしながら、断水が解消した地域においても、自宅で水道を使用するためには、宅内配管の修繕が必要な場合も多く、地元業者に工事が集中していることから、地元以外の業者に発注する際に必要となる旅費、宿泊費等のかかり増し経費を支援する制度を創設するとともに、今月十三日から石川県管工事業協同組合連合会内に受付窓口を設け、専用ダイヤルで工事業者の手配を行うなど、宅内配管の修繕を促進することといたしました。

災害廃棄物の処理につきましては、現在、公費解体を行う十六市町で、解体想定数の半数を超える約一万五千棟の申請を受け付け、順次、解体工事が進められております。市町では、解体工事の本格化に向け、現地調査や解体費用の算定を行う専門コンサルタントの職員を大幅に増員しているところであり、県としても、引き続き、応援職員の派遣や解体ごみの受入先の広域調整など、市町への人的・技術的支援を行い、令和七年度末の災害廃棄物の処理完了に向けて取り組んでまいります。

農地・農業用施設につきましては、甚大な被害が発生している「ツインブリッジのと」、白米千枚田、農業用ため池等について、市町からの委託を受け、県において復旧工事を行うこととしたところであり、国・市町・関係団体と連携し、復旧工事を進めてまいります。

漁業に利用されている港につきましては、国、県、関係市町、漁業者、研究機関からなる協議会を設置し、今月から、復興方針の策定に向けた具体の議論を開始いたしました。引き続き、国の全面的な支援のもと、研究機関による調査結果や地元関係者のご意見を踏まえ、早期に復興方針を策定し、一日も早い港の復旧・復興に向け、取り組んでまいります。また、海底隆起により甚大な被害を受けた輪島港においては、先週二十四日に「復旧・復興プラン検討会」を開催し、早期の生業再建に向け、現在地での機能復旧を目指す方針を確認したところであり、来月中には、短期の復旧方針を取りまとめてまいります。

公立学校につきましては、応急復旧工事が完了し、新年度から全ての学校において、授業を再開したところであり、引き続き、一日も早い本復旧に向け、取り組んでまいります。また、教職員の住居確保に向けて、穴水町の旧向洋中学校グラウンドに、奥能登の公立学校に勤務する教職員を対象とした仮設宿舎を、七月中に整備することとしております。

私立学校につきましては、施設復旧に対する国の補助に県独自で上乗せし、学校法人等の財政負担を軽減することで、早期の復旧を後押ししてまいります。

輪島漆芸技術研修所につきましては、今年秋頃の授業再開に向け、施設の修繕を行うとともに、研修生の住居確保に向け、敷地内に仮設寄宿舎を整備することといたしました。

のとじま水族館につきましては、現在も休館し、施設や設備の復旧に取り組んでいるところであります。工事が完了次第、他の施設に移送し保護していた生物を戻すとともに、ジンベエザメなど失われた飼育生物も確保することとしており、準備の整った施設から夏休み前の営業再開を目指してまいります。

地震被害想定調査につきましては、昨日開催した石川県防災会議において、震源断層の追加、宅地液状化の想定、通常より人が多くなる時期での発生の想定など、今般の地震を踏まえた見直しについて了承いただいたところであり、年度内の結果の取りまとめに向け、引き続き調査を進めてまいります。

初動対応等の検証につきましては、有識者や被災現場で実際に活動された方々からなる委員会を設置し、県職員や、国、市町、関係団体等から当時の対応を聞き取るとともに、過去の事例や外部の専門家の知見も取り入れ、年度内に取りまとめを行い、地域防災計画をはじめとした各種計画に反映させるなど、災害対応力の強化につなげてまいります。

また、地震の記録・記憶を未来へ継承し、復旧・復興の過程で得た教訓を今後の災害対策等に活かすため、関連する写真、映像、資料等を収集し、保存するデジタルアーカイブの構築に着手することとし、年度内の公開に向けて取り組んでまいります。

さて、今回の補正予算は、これまで申し述べた地震対策に加えて、骨格的な予算として編成した当初予算への計上を見送った政策的経費について、昨年九月に策定した石川県成長戦略の実現に向けた取り組みを可能な限り盛り込み、編成いたしました。

大規模プロジェクトにつきましては、復旧・復興に係る財政負担が増す中、社会福祉会館など、施設の老朽化等の観点から緊急度の高い事業を進めることといたしました。

以下、主な施策につきまして、当初予算編成後の取り組みの進展状況も併せ、概要をご説明申し上げます。

ページの先頭へ戻る

石川県成長戦略について

石川県成長戦略につきましては、石川の次代を担う各界・各地域の方々からご意見を伺い、戦略の実効性を高めるため、「ミライカイギ」を設置し、先月、第一回目の会議を開催いたしました。委員からは、成長戦略のみならず、能登の創造的復興についてもご意見を頂いたところであります。また、成長戦略で設定しているKPI等については、今般の地震を踏まえ、今後、必要な見直しを行いたいと考えております。

ページの先頭へ戻る

北陸新幹線について

去る三月十六日に、五十年来の悲願でありました北陸新幹線の県内全線開業が実現し、南加賀地域と首都圏が新幹線でつながるとともに、北陸三県が一時間圏内で結ばれました。開業当日は、小松駅、加賀温泉駅、金沢駅において、開業式典や様々なイベントが行われ、県内外から多くの皆様にお越しいただきました。今後は、開業効果を最大化するとともに、県内全域に波及させ、能登の復旧・復興にもつなげていかなければなりません。

開業に先立ち、移転オープンした新たな首都圏アンテナショップ「八重洲いしかわテラス」につきましては、岸田総理や森元総理をはじめ、多数の来賓の方々にご列席を頂き、三月九日にオープン記念式典を執り行いました。被災地への応援消費の気運の高まりもあり、売り上げや来店者数は大変好調であり、今後とも、魅力的なイベントの開催や復興状況の発信を通じ、応援消費の促進を図るとともに、首都圏における観光誘客、販路開拓の拠点として積極的に活用してまいります。

また、北陸三県連携による関西圏での情報発信拠点「HOKURIKU+」を七月三十一日に大阪駅に隣接する大型複合施設内にオープンするほか、十月からの「北陸デスティネーションキャンペーン」をはじめ、切れ目なく誘客キャンペーンを展開し、全国からの誘客に取り組んでまいります。

金沢以西が開業したIRいしかわ鉄道につきましては、多くの皆様にご利用いただき、順調な滑り出しとなっております。今後、北陸三県の並行在来線が連携した周遊観光促進キャンペーンや、県内の鉄道事業者と連携した周遊イベントを実施するほか、沿線市町による無人駅の活用に加え、市町と連携し、駅ごとに趣向を凝らしたイベントを同日に開催する「IRいしかわ鉄道マルシェ(仮称)」を実施するなど、引き続き、県全体で一丸となって利用促進に向けて取り組んでまいります。

北陸新幹線の敦賀・大阪間につきましては、去る二十二日の北陸新幹線建設促進同盟会の中央要請において、昨年度に引き続き計上された調査費を最大限活用し、平成二十九年三月に与党のプロジェクトチームで決定された小浜・京都ルートの施工上の課題を解決するための調査を早急に進め、建設費や工期、地元負担額などの具体的なデータを明らかにし、着工五条件の早期解決を図っていただくよう、沿線府県の知事や経済界等とともに、政府・与党に強く働きかけたところであります。

北陸新幹線の整備効果を最大限発揮するためには、何よりも、一日も早い大阪までの全線開業の実現が必要不可欠であり、今後とも、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら、取り組んでまいる所存であります。

ページの先頭へ戻る

産業のDX・GXの推進について

産業のDX・GXの推進につきましては、県内企業では、製造業を中心に、デジタルを活用した迅速・効率的な生産やロボットの活用による人手不足への対応、新たな成長市場であるグリーン分野への参入などに関心が高まっております。これを受け、昨年度から工業試験場内に整備を進めてきた「デジタル活用ものづくり支援センター」が来月二十六日に開所する運びとなりました。ここを拠点として、デジタルシミュレーションを活用した製品開発やロボット導入に向けた人材育成、DX・GXの最新動向や先端的な研究情報の普及啓発などを行い、県内企業の成長を後押ししてまいります。

ページの先頭へ戻る

産業人材の確保について

産業人材の確保につきましては、人手不足が恒常化する中、多様な人材の活用がより重要となっております。このため、ILACと商工会議所、商工会等が連携し、高い専門性を有する都市部の副業人材等と県内企業とのマッチングを強化することといたしました。さらに、外国人材の採用から定着まで、専門家による一貫した支援を行う「外国人材活用ワンストップセンター」をILAC内に設置することといたしました。

産業技術専門校につきましては、昨年十一月に取りまとめた石川県職業能力開発審議会の答申において、特に老朽化が著しい金沢校を優先して整備することが望ましいとされたことを踏まえ、金沢校の建て替えや訓練内容の見直しに向けた基本構想の策定に着手することといたしました。

ページの先頭へ戻る

海外販路の開拓について

海外販路の開拓につきましては、食品、伝統的工芸品の本県からの輸出額が欧州でトップのフランスにおいて、新たに期間限定でアンテナショップを試行的に設置し、県産品のテストマーケティングを実施することとしました。さらに、フランスや香港、シンガポールにおいて、北陸三県や京都府との連携による食品や伝統的工芸品の共同プロモーションを実施し、県産品の輸出拡大につなげてまいります。

ページの先頭へ戻る

県産水産物の需要拡大について

県産水産物の需要拡大につきましては、県内の飲食店等と連携し、旬の水産物の魅力を実感していただくとともに、石川の特徴である多種多様な水産物の魅力を発信するフェアを開催するなど、県内全線開業の好機を捉え、取り組みを加速させてまいります。

ページの先頭へ戻る

「いしかわ県民文化振興基金」について

「いしかわ県民文化振興基金」につきましては、昨年の国民文化祭を一過性のものとせず、県民総参加といった成果を継承する「ポスト国民文化祭」の取り組みを推進するとともに、文化の力で被災地の復興を後押しできるよう、基金規模を現在の百二十億円から二百億円に拡充することといたしました。さらなる文化の高みと裾野の拡大を目指し、「ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭」を隔年開催から毎年開催に拡充し、文化団体の発表会や子どもの文化体験機会を充実させるほか、市町や企業の積極的な文化活動を支援してまいります。さらに、県民の新たな文化体験機会の創出を図るため、若者の関心が高いミュージカルを中心に観劇の魅力を発信する「いしかわ舞台芸術祭(仮称)」を、秋の大型イベントとして新たに開催することとしております。

ページの先頭へ戻る

「ガルガンチュア音楽祭」について

今回から名称を改めた「ガルガンチュア音楽祭」につきましては、先のゴールデンウィーク期間中に開催し、クラシック音楽を中心に、アニメ、映画音楽、昭和歌謡等の多彩で魅力的なプログラムを展開したほか、入場料収入の一部を義援金とするなど、被災地支援にも取り組み、県内外から過去最高の十二万人を超える皆様にご来場いただきました。今後とも、石川の春を彩る音楽祭として、より一層親しんでいただけるよう努めてまいります。

ページの先頭へ戻る

スポーツを通じた活力の創造について

スポーツを通じた活力の創造につきましては、今月一日に開催した石川県スポーツ振興に係る懇談会におけるご意見も踏まえ、国民スポーツ大会の正式種目ではない公開競技の大会開催や普及活動への支援を行うほか、アーバンスポーツの体験イベントを例年の金沢港クルーズターミナルに加え、南加賀や能登でも開催することといたしました。

また、今般、日本最大のシニア世代の総合スポーツ大会である「日本スポーツマスターズ二〇二六」の石川県での開催が決定いたしました。県民のスポーツや健康に対する関心をさらに高めるとともに、能登の復興を全国に発信する大会となるよう、開催準備に万全を期してまいります。

ページの先頭へ戻る

海外誘客について

海外誘客につきましては、本県を訪れる外国人旅行者はコロナ禍前の水準に回復しており、大阪・関西万博を契機として、欧米豪やアジアからの高付加価値な旅行者の誘客を強化するとともに、企業の報奨旅行向けの特別感のある旅行商品の造成等を図ることで、さらなる誘客拡大に取り組んでまいります。

ページの先頭へ戻る

小松空港について

小松空港につきましては、国際線について、昨年運航を再開した台北便、ソウル便、上海便の安定的な需要の確保を図るため、航空会社や就航先の観光協会等と連携し、修学旅行による利用を促進するとともに、国際交流団体への支援を行い、コロナ禍で途絶えていた交流の再開と新たな交流機会の創出を図るなど、インバウンド・アウトバウンド双方での利用促進を加速させてまいります。

ページの先頭へ戻る

のと里山空港について

のと里山空港につきましては、能登・羽田便が、先月十五日から、毎日一往復で運航を再開したところであり、今後、一日二往復の運航再開を全日空に働きかけてまいります。

ページの先頭へ戻る

のと鉄道について

のと鉄道につきましては、JR西日本をはじめ関係者のご尽力により、先月六日から全線での運行が再開されました。今後、地震の影響もあり、さらに厳しい経営状況が見込まれる中、将来にわたって、地域住民の生活交通及び観光の二次交通としての役割を果たすため、その前提となる安全対策に万全を期すべく、沿線市町と連携し、「安全運行対策基金」に三年間で総額七億円を積み増すことといたしました。

ページの先頭へ戻る

金沢港について

金沢港につきましては、三月に、今般の地震で直面した課題などを踏まえ、港湾施設の強靭化や防災拠点としての役割も盛り込んだ将来ビジョンを策定いたしました。来年度からの事業着手を目指し、ビジョンを具体化するため、年度内に港湾計画の改訂を行うことといたしました。

ページの先頭へ戻る

広域道路ネットワークの整備について

広域道路ネットワークの整備につきましては、国道四一五号の羽咋市神子原町地内や、倉谷土清水線の金沢市辰巳町から末町間、金沢小松線の白山市村井町から宮丸町間などの路線において、新たに拡幅事業に着手することとしております。

ページの先頭へ戻る

金沢城二の丸御殿について

金沢城二の丸御殿につきましては、これまで復元整備の設計や障壁画等の再現に向けた検討を重ねてきたところであり、今般、文化庁など関係機関との協議が概ね整ったことから、建設工事に着手いたします。二の丸御殿の復元は、金沢城の価値や魅力を格段に高めるのみならず、石川の匠の技や、漆塗りなど伝統工芸の技の次世代への継承、能登ヒバなど県産材の活用といった多面的な意義を有しており、復元整備を着実に進めてまいります。

ページの先頭へ戻る

兼六園について

兼六園につきましては、一般開放百五十周年を記念し、御庭印の販売のほか、開園記念日となる今月七日を無料開園日とし、ライトアップやコンサートを実施いたしました。今後、年間を通して、記念行事を開催するとともに、所蔵する古い写真や映像等をデジタルアーカイブとして公開するなど、兼六園の価値や魅力を発信してまいります。

ページの先頭へ戻る

西部緑地公園について

西部緑地公園につきましては、三月に再整備構想を策定したところでありますが、極めて大規模なプロジェクトであることから、今後の事業の進め方等について検討を深めていく必要があります。このため、事業費の精査や事業手法の調査を行うこととし、地震からの復旧・復興に係る財政負担を十分に見極めた上で、基本計画の策定などの事業着手について判断してまいります。

ページの先頭へ戻る

森林公園について

森林公園につきましては、子供たちが遊びを通じて木と触れ合い、楽しみながら学べる全天候型の大型木育施設の整備を進めてきたところであり、夏休み前の七月十九日に完成記念式典を行い、翌二十日にオープンすることといたしました。また、同公園内に先月開所したいしかわ動物愛護センターについては、七月二十日に、ドッグランの供用開始に合わせ、グランドオープンイベントを開催することとしております。

ページの先頭へ戻る

木場潟公園の東園地について

木場潟公園の東園地につきましては、里山林の資源を活かした魅力向上を図り、新幹線開業後の南加賀地域における交流人口の拡大につなげるため、未整備区域についての調査・検討に着手することといたしました。

ページの先頭へ戻る

大阪・関西万博について

来年四月から開催される大阪・関西万博は、文化を通じた国際交流により日本の魅力を世界に発信する絶好の機会であるとともに、文化安全保障の観点からも重要であります。本県としても、万博会場で「食文化」や「祭り」をテーマとした催事を実施することとしており、本県の自然や歴史により育まれてきた多彩な文化の魅力をPRし、県内各地に多くの観光客を呼び込むととともに、地震からの復旧・復興に取り組む姿を発信したいと考えております。

ページの先頭へ戻る

教職員の多忙化改善について

教職員の多忙化改善につきましては、多岐にわたる業務を担う教頭の負担軽減を図り、若手教員の育成や保護者対応などの本来業務に優先的に取り組む環境を整備するため、教頭を補佐する「教頭マネジメント支援員」を県内十四校にモデル的に配置することといたしました。

ページの先頭へ戻る

県立あすなろ中学校について

県立あすなろ中学校につきましては、先般、学校のシンボルとなる校章デザインを決定し、校旗を制作するとともに、夜間中学に関心のある方を対象に、学校説明会及び個別相談会を行っております。今後、校舎での体験授業を実施するなど、来年四月の開校に向け、準備に万全を期してまいります。

ページの先頭へ戻る

少子化対策について

少子化対策につきましては、昨年度国が策定した「こども未来戦略」や、今後実施する県民意識調査の結果を踏まえ、年度内に「いしかわエンゼルプラン2020」の見直しを行うこととしており、結婚から妊娠・出産、子育てまでの切れ目のない支援の充実に向け、検討を進めてまいります。

ページの先頭へ戻る

子どものこころの問題への支援について

子どものこころの問題への支援につきましては、発達障害や不登校など、こころの問題をできるだけ早期に発見し、適切な診断や障害の特性に応じた支援が受けられるよう、金沢大学において「子どものこころ専門医」を養成するための寄付講座を設置し、診療体制の強化を図ることといたしました。

ページの先頭へ戻る

社会福祉会館について

社会福祉会館につきましては、昨年十月に、在り方検討委員会から、新会館のコンセプトや機能について最終的な検討結果をご報告いただいたところであります。建築後五十七年が経過し、施設が老朽化していることも踏まえ、今般、十分な敷地面積があり、アクセスが良い県立金沢西高等学校第二グラウンドを移転先として、建て替えに向けた基本構想の策定に着手いたします。合わせて、同グラウンドについては、校舎西側に隣接する県有地への移転に向けた設計に着手いたします。

ページの先頭へ戻る

能登北部保健福祉センターについて

能登北部保健福祉センターにつきましては、建築後五十四年が経過し、施設が老朽化、狭隘化していることも踏まえ、建て替えに向けた基本計画の策定に着手することといたしました。奥能登各地域とのアクセスが良い、のと里山空港周辺への移転を念頭に、防災拠点としての機能を備えた保健福祉の拠点とすべく、検討を進めてまいります。

ページの先頭へ戻る

性の多様性に関する理解増進条例について

性の多様性に関する理解増進条例につきましては、条例の必要性や意義について県民の皆様にご理解いただけるよう、昨年度から、セミナーやタウンミーティングを実施してきたところであります。一方、国において、法の運用指針が未だ策定されていないことから、国に早期策定を強く働きかけるとともに、議会や県民の皆様のご理解を得られるよう、引き続き、普及啓発に取り組んでまいります。

ページの先頭へ戻る

県水送水管の二系統化による耐震化事業について

県水送水管の二系統化による耐震化事業につきましては、耐震工事の完了区間は、今般の地震による被害がなく、耐震化の重要性を再認識したところであり、今後の整備計画を二年前倒しして、令和十二年度までの完成を目指すことといたしました。

ページの先頭へ戻る

流域治水対策について

流域治水対策につきましては、梯川流域や河北郡市での記録的な大雨により甚大な被害が発生したことを踏まえ、流域治水プロジェクトに基づくハード・ソフト両面での対策に、引き続き、関係機関と一体となって取り組んでまいります。

ページの先頭へ戻る

カーボンニュートラルの推進について

カーボンニュートラルの推進につきましては、全国に比べて温室効果ガスの排出割合の高い民生部門や運輸部門の取り組みを強化いたします。

民生部門では、「いしかわエコハウス」を、実質的なエネルギー使用量をゼロにする住宅(ZEH)に改築するとともに、展示内容の充実を図り、先月、リニューアルオープンいたしました。省エネ・創エネの新たなモデルハウスとして広く県民の皆様に体験いただくとともに、来月には、地元工務店と連携した住宅セミナーを開催し、各種支援制度の活用を促進してまいります。また、ホテル・旅館等の事業用建築物についても、専門家の派遣等により省エネ・創エネに向けた具体の取り組みを後押ししてまいります。

運輸部門では、設置後十年以上経過している能登の道の駅などの急速充電器の更新や高出力化について、国や市町などとともに検討を進めてまいります。

ページの先頭へ戻る

トキの放鳥について

トキの放鳥につきましては、復興プランに創造的復興リーディングプロジェクトとして位置づけたところであり、早ければ令和八年度の放鳥実現に向け、能登の四市五町や関係団体と連携し、取り組みを加速してまいります。特に、放鳥に向けては、餌場環境の整備が重要であり、トキ放鳥推進モデル地区における魚道の確保等の取り組みを他地区に拡大させるとともに、餌の確保と省力化を両立する除草方法の検討等に着手いたします。

ページの先頭へ戻る

ツキノワグマ出没への対応について

ツキノワグマ出没への対応につきましては、例年より早く人身被害が発生したことを受け、先週二十四日に出没注意情報を発令し、県民の皆様に一層の注意喚起を行うとともに、市町に対して、被害防止対策の徹底を要請したところであります。引き続き、先月公表した過去の出没情報を要因ごとに分類した「クマ出没分析マップ」等を活用した注意喚起や、市街地出没を想定した住民参加型の実地訓練を行うなど、市町や関係機関と連携し、人身被害の防止に取り組んでまいります。

ページの先頭へ戻る

一般会計補正予算総額等について

以上が、今回の一般会計補正予算の大要でありまして、総額で七百四十二億三百万円余となっており、このうち、令和六年能登半島地震に係る予算は三百九十三億四千三百万円余となっております。財源については、地方交付税二十億円、国庫支出金百九十四億五千六百万円余、県債二百六十五億五千五百万円、諸収入百六十五億四千三百万円余などを充てるほか、財政調整基金七十一億円を取り崩すこととしており、補正後累計は一兆一千八百四十三億三千四百万円余となるものであります。

ページの先頭へ戻る

その他の諸議案について

次に、提案いたしましたその他の諸議案のうち、議案第四号につきましては、復旧・復興業務のため、全国知事会を通じ、現在、全国各地の自治体から本県に対して百十八人の中長期派遣をいただいているところでありますが、こうした中でも、職員が不足していることから、事務職百人、技術職七十人の合計百七十人程度の任期付職員の採用を実施するとともに、先般策定した県立病院経営強化プランに基づく救急搬送の受入態勢等の強化を図るため、知事部局及び県立病院の職員定数を増やすものであります。

ページの先頭へ戻る

志賀原子力発電所について

志賀原子力発電所につきましては、現在、原子力規制委員会の法律に基づく新規制基準への適合性に関する審査会合において、敷地周辺断層の活動性等に関する審査が行われております。

県では、三月に原子力環境安全管理協議会を開催し、北陸電力(株)に説明を求め、今般の地震への対応について確認したところであります。原子力発電所は安全確保が大前提であり、北陸電力(株)には、今後とも、より一層の安全対策に取り組むよう強く求めてまいりたいと考えております。

規制委員会には、今般の地震による影響を検証するとともに、科学的な根拠に基づき厳格な審査を行い、地元住民はもとより国民の理解と納得が得られるよう、しっかりと説明責任を果たすことを、引き続き、強く要望してまいります。

ページの先頭へ戻る

北朝鮮について

北朝鮮は、再三にわたる国際社会の警告を無視し、弾道ミサイルの発射を繰り返しております。本県の漁船に被害はなかったものの、度重なる弾道ミサイル発射は、国民の生命・身体・財産、我が国の領土・領海の安全を脅かし、一連の国連安保理決議に違反する行為であり、国においては、国際社会と連携し、外交・経済等あらゆる手段を通じ、断固とした対応をとっていただきたいと考えております。

ページの先頭へ戻る

最後に

最後に、令和五年度の決算につきましては、地震対策に多額の財政支出を要した結果、七十七億円の財政調整基金の取り崩しを余儀なくされました。昨年度末に交付された特別交付税八十七億円余を活用し、財政調整基金の積み戻しを行ったものの、今年度においても、当初予算と六月補正予算を合わせ八十八億円を取り崩すこととしており、年度末の基金残高は、地震前の半分以下の水準となる六十六億円に減少する見込みとなりました。

復旧・復興に係る財政需要、増え続ける社会保障関係経費など、今後の財政状況が厳しさを増す中、引き続き、国に財政措置の拡充等を要望するとともに、事業の選択と集中を図りながら、持続可能な行財政運営に取り組んでまいります。

これまで、幾度となく被災地や避難所などを訪れ、地震による甚大な被害を目の当たりにし、被災された方々や事業者、首長の皆様の切実な声を直接お聞きしてまいりました。依然として、多くの課題があり、国、市町と連携し、柔軟で機動的な対応が求められております。創造的復興は、長く険しい道のりとなりますが、復興プランに掲げた「能登が示す、ふるさとの未来」の実現に向け、私が先頭に立って、全庁総力を挙げて取り組む決意を強くしているところであります。議員各位の一層のご指導とご協力をお願いいたします。

以上をもちまして、私の説明を終わりますが、なにとぞ慎重ご審議のうえ、適切なるご決議あらんことをお願いいたします。

ページの先頭へ戻る

 

 

記者会見の要旨一覧へ戻る

 

お問い合わせ

所属課:知事室秘書課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1221

ファクス番号:076-225-1222

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報はお役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

同じ分類から探す