ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 議案説明要旨(平成31年第1回県議会定例会) - 平成31年2月20日 - 2.「個性と魅力あふれる文化と学術の地域づくり」について
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東京国立近代美術館工芸館の移転整備につきましては、先月、独立行政法人国立美術館から、移転に関する協議の経過が示されました。
現工芸館が所蔵する美術工芸作品のうち、人間国宝及び日本芸術院会員の全ての作品が本県に移転することが決定し、移転作品数は一千九百点以上とされたところであります。また、施設の通称は、「国立」の施設であることが明確となる「国立工芸館」とし、館長に加え、国内外への発信力を強化するため、名誉館長を置く方向で検討することとされました。開館時期については、展示室や収蔵庫が作品を扱うために適正な環境となる、いわゆる「からし期間」が完了することを前提に、東京オリンピックの開催前を目指すこととし、加えて、本県出身の工芸界の巨匠である松田権六氏が数々の名作を生み出してきた工房を、東京都内の自宅から移設し、その足跡を紹介するコーナーを設けることとなりました。
今般の決定内容は、いずれも本県の要望に十分に応えたものとなっており、日本海側初の国立美術館にふさわしい施設となるよう、引き続き、国立美術館や金沢市と連携し、準備を進めてまいります。
国立工芸館の建物については、展示室や収蔵庫となる鉄筋コンクリート部分の躯体工事が終了したところであり、今後は、旧陸軍の第九師団司令部庁舎及び金沢偕行社を移築・活用する木造部分の組み立て作業を行い、本年秋の完成に向けて、鋭意、整備を進めてまいります。
国立工芸館の移転に向けた気運の醸成については、十一月から十二月にかけて、県立美術館において、「漆工」、「木工」、「竹工」をテーマに、「国立工芸館名品展」を開催することとしており、これに合わせて、県立美術館や歴史博物館において、石川の工芸の歴史を巡る特別展を開催することといたしました。
加えて、名品展の期間中に、国立工芸館の建物を活用し、建物内部の見学やデジタル技術を用いて移転作品の紹介を行うツアーを実施するほか、本多の森公園において、工芸と食文化をテーマとしたイベントを開催するなど、兼六園周辺文化の森全体で、気運の盛り上げを図ってまいります。
また、東京における現工芸館の展覧会に合わせて、国立工芸館の移転と本県の工芸文化の魅力を発信するイベントを開催することといたしました。
伝統産業工芸館については、国立工芸館の移転により、「工芸館」という名称を有する施設が二つ存在することとなることから、訪れる方に分かりやすい通称が必要であると考えております。新たな通称については、今後、広くご意見もお聞きしながら、来年の年明け早々には決定したいと考えております。
「国際北陸工芸サミット(仮称)」につきましては、北陸三県の持ち回りで開催してきたところであり、本県での開催が最後を飾ることとなります。来年秋の開催に向け、実行委員会を立ち上げ、文化振興の観点のみならず、産業振興の観点から、石川ならではのものとなるよう準備を進めてまいります。
金沢城公園の鼠多門・鼠多門橋につきましては、東京オリンピック・パラリンピック開催までの完成に向けて、鋭意、復元整備を進めており、本年四月十四日に、鼠多門の上棟記念式を執り行う予定としております。
門と橋の完成により、長町武家屋敷から尾山神社を経て、金沢城、兼六園、本多の森公園に至る、「加賀百万石回遊ルート」が形成され、江戸・明治・大正期を代表する建造物や江戸期の庭園などが面的につなぎ合わされることで、都心部の歴史と文化の魅力がさらに高まるものと考えております。
加えて、この回遊ルートを都心部の夜の観光コースとして楽しんでいただけるよう、門と橋をライトアップすることにより、昼間とは趣を異にする荘厳な夜間景観を創出するとともに、ルート沿いの建造物や石垣にもライトアップを施し、夜間の賑わい創出につなげてまいります。
二〇二〇年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に加え、国立工芸館のオープン、「国際北陸工芸サミット(仮称)」の開催、鼠多門・鼠多門橋の完成と「加賀百万石回遊ルート」の形成により、外国人をはじめとした観光客のさらなる増加が見込まれます。このため、庁内に部局横断の連絡会議を設置し、兼六園周辺文化の森を中心に、本県ならではの多彩な文化イベントを切れ目なく展開していくための諸準備を進めてまいります。
また、「加賀百万石回遊ルート」の形成により、都心部をまち歩きされる観光客の増加が見込まれることから、回遊ルートとホテルの建設が相次いでいる国道一五七号との結節点に、金沢市とも連携して観光案内拠点を設置することとし、必要な機能等について、具体の検討に着手いたします。
金沢城復元の総仕上げともいえる二の丸御殿につきましては、専門家から成る「二の丸御殿調査検討委員会」において、復元整備の可能性について検討を進めてまいりましたが、先般、「表向」の復元整備の可能性は大きいとの中間とりまとめがなされたところであります。また、昨年の文化財保護法の改正により、文化財について、「保存」から「活用」への方向性が示されたことから、これまでの文化財の「保存管理計画」を、「保存活用計画」に改定する必要があります。
これらを踏まえ、史跡である金沢城の保存・活用のマスタープランともいえる「金沢城保存活用計画」の策定に着手し、その中に、二の丸御殿の整備についても盛り込むこととし、文化庁との協議をスタートさせてまいります。
さらには、この秋にも予定されている検討委員会の最終報告に向け、遺構の分布調査や障壁画の作品類例調査などの詳細調査を進めてまいります。
これまでは、復元の可能性について調査を重ねてまいりましたが、検討委員会において、一定の方向性が示されたことから、検討作業を継続する一方で、復元を前提とした調査検討にも着手したいと考えております。
新たな県立図書館につきましては、建物の実施設計を進めてきたところであり、来年度は、建設工事に着手いたします。
新図書館では、現在の三倍となる約三十万冊の図書を開架することとしており、時節に応じたテーマに関連した図書をまとめて並べるなど、図書の配置や見せ方についても工夫を重ね、館内を「めぐり」ながら、本との出会いを楽しめるようにしていきたいと考えております。
また、現図書館の約五倍のスペースを確保する児童エリアについては、親子連れから小学校高学年までが楽しめる閲覧空間として、子どもの本への興味を育むほか、子育てに関する大人向けのコーナーも設け、親子での来館を促したいと考えております。
さらには、図書の貸し出しや閲覧以外の方々にも足を運んでいただけるよう、イベントやワークショップ等にも活用できる屋内広場や多目的ホールに加え、工作などの体験ができる学習室やカフェなどのスペースも設けることとしており、多くの人で賑わう図書館となるよう、今後も様々な工夫を凝らしながら、着実に整備を進めてまいります。
また、図書館へのアクセス道路については、小立野通りから図書館までを優先して整備を進めることとしており、開館に合わせて供用できるよう、用地買収を進めるとともに、工事に着手いたします。
県民へのスポーツの普及につきましては、ウォーキングやランニング、スポーツ観戦、スポーツイベントへのボランティア参加など、全国で初めて、スポーツを「する」、「みる」、「ささえる」の三つの活動でポイント化し、活動の度合いに応じて特典を得られる「スポーツマイレージ事業」を、来月十五日からスタートいたします。協賛企業や県内のトップスポーツチームの協力も得ながら、多くの県民の皆様方が、本事業を通じてスポーツに親しんでいただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
東京二〇二〇オリンピック聖火リレーにつきましては、本県では、来年の六月一日及び二日に実施されることとなっており、昨年十二月に、県内のルート案などをとりまとめたところであります。今後は、ルート案を元に、聖火リレーを安全・確実に実施するための交通規制等の対策に加え、ランナーの選考についても検討を進めることとしており、準備に万全を期してまいります。
東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致につきましては、本年七月に、世界トップクラスのニュージーランド・女子カヤックチームが、初めて、木場潟カヌー競技場において、世界選手権前の合宿を実施することが決定し、九月には、英国とカナダの代表チームの合宿も予定されております。さらには、本年七月に、レスリング競技のアゼルバイジャンチームが、東京オリンピックの事前合宿を見据え、志賀町において、日本チームと合同で合宿を行う見通しとなりました。
今後、市町や競技団体と連携し、受け入れに万全を期してまいります。
以上
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