ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 議案説明要旨(平成30年第1回県議会定例会) - 平成30年1月30日 -1. 「個性と魅力にあふれる文化と学術の地域づくり」について
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第一は、「個性と魅力にあふれる文化と学術の地域づくり」についてであります。
東京国立近代美術館工芸館の移転整備につきましては、今月から、旧陸軍の第九師団司令部庁舎と金沢偕行社の解体工事に取りかかったところであります。三月には、工芸館の建設工事に着手し、二〇一九年秋までに工事を完成させ、その後、展示室や収蔵庫が美術品を扱うために適正な環境となる、いわゆる「からし期間」を経て、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の開館を目指してまいります。日本海側初の国立美術館にふさわしい施設となるよう、引き続き、独立行政法人国立美術館や金沢市と連携し、整備を進めてまいります。
来年度で三回目となる「東京国立近代美術館工芸館名品展」につきましては、県立美術館において、「染織」、「金工」、「人形」、「ガラス」をテーマに、文化勲章受章者や人間国宝の方の作品をはじめとした工芸館の所蔵品を展示するほか、県内全域での気運の盛り上げを図るため、新たに、小松市、輪島市においても、地元美術館と連携して開催することといたしました。
金沢城公園につきましては、昨年末に鼠多門の工事に着手したところであります。また、鼠多門橋については、道路や歩道を跨ぐこととなることから、江戸時代当時そのままでの復元は困難であり、これまで橋脚の位置や構造などの検討を進めてまいりました。復元にあたっては、橋の上部や高欄は木造とする一方で、耐震性などの安全基準を満たす必要があることから、橋脚や橋桁には鋼材を使用し、これを木材で覆うことにより、橋全体は、鼠多門や周辺の石垣回廊と調和した木橋のイメージとなるよう整備を進めてまいります。
鼠多門、鼠多門橋の復元により、長町武家屋敷から尾山神社を経て兼六園に至る加賀藩ゆかりの歴史的回遊ルートが形成されることとなり、城郭としての価値と魅力のさらなる向上につながるものと考えております。遅くとも東京オリンピック・パラリンピックが開催される、二〇二〇年中の完成を目指し、整備を進めてまいります。
新たな県立図書館につきましては、鋭意、基本設計を進めているところであり、建物内部の中央は開放的な吹き抜けとし、多くの書物で囲まれた、いわば円形劇場のような大閲覧空間とする方向で検討しております。また、本県が誇る伝統文化や里山里海などの資料等からなる「石川コレクション(仮称)」の収集に向けた準備も進めているところであり、文化立県石川の「新たな知の殿堂」にふさわしい図書館となるよう、様々な工夫を凝らしてまいります。
オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)につきましては、昭和六十三年の創設以来、国内はもとより、世界に向けて音楽文化の発信を行い、本県の文化の向上に大きく貢献してまいりました。来年度は、三十周年を迎えるにあたり、県内全市町にわたる縦断コンサートを開催するほか、六月には、台湾での初公演を行うことといたしました。
また、井上道義音楽監督の本年三月末の退任に伴い、九月には、欧州の次代を担う指揮者として世界的に高く評価されている、現フランス国立ボルドー歌劇場の総監督兼音楽監督のマルク・ミンコフスキ氏に、芸術監督として就任いただくこととしております。OEKが、三十周年を機に、より多くの皆様に愛され、国内はもとより、国際的にも高く評価されるオーケストラとして、一層発展するよう取り組んでまいります。
「いしかわ・金沢『風と緑の楽都音楽祭』」につきましては、二年目となる本年は、「モーツァルト」をテーマに、質の高いクラシック公演を提供することとしております。加えて、藩政期から受け継いできた邦楽とのコラボレーションや県民参加型のコンサートを拡充するなど、多彩なプログラムを数多く実施することとしており、石川の春を彩る音楽祭として、より一層親しんでいただけるよう努めてまいります。
海女文化の継承・発展につきましては、先日開催された国の文化審議会において、「輪島の海女漁の技術」を国重要無形民俗文化財として指定することが適当であるとの答申がなされました。ユネスコの無形文化遺産への登録を目指し、後継者の確保・育成、アワビやサザエといった漁業資源の増大とブランド化などの取り組みを通じ、海女漁の振興を図るとともに、先に国の指定を受けた三重県と連携し、海女文化の一層の発信に取り組んでまいります。
東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致につきましては、これまで木場潟カヌー競技場において、ニュージーランドとモザンビークのカヌー選手、ブラジルのパラカヌー選手の強化合宿を受け入れてきたところであります。これらに加えて、今般、強豪国である英国のオリンピック・パラリンピックの両カヌーチームが、大会前年の二〇一九年と、二〇二〇年の大会直前に、木場潟カヌー競技場で合宿を行う運びとなりました。さらに、二〇〇八年の北京オリンピックの際に木場潟で事前合宿を行った、強豪国のフランスのカヌーチームも、二〇二〇年の大会直前に事前合宿を行う見通しとなったところであります。
東京オリンピック・パラリンピックの合宿地の決定は、これから本格化していくこととなりますが、カヌー以外の競技についても、戦略的な誘致活動を積極的に展開してまいります。
また、東京オリンピック・パラリンピック参加国と地元自治体との相互交流を促進する、国の「ホストタウン制度」につきましては、昨年七月のニュージーランドに続き、十二月にブラジルを相手国とする登録が認定されたところであります。これを受け、相手国の文化等を紹介し、相互理解を促進するための交流イベントを、小松市と共同で開催することといたしました。
以上
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