ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 議案説明要旨(平成31年第1回県議会定例会) - 平成31年2月20日 - 3.「地域の強みを活かし成長する産業づくり」について
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最近の本県経済は、鉱工業生産指数や有効求人倍率が、引き続き、全国トップクラスの水準で推移しており、日銀金沢支店の金融経済月報では、十五カ月連続で、景気が「拡大している」とされております。こうした本県経済の勢いは、新幹線開業効果の持続に加え、ものづくり中小企業がけん引役となっているものであります。
こうした中、優れた技術力を有するニッチトップ企業は、本県産業の大きな特色であり、こうした企業を一社でも多く育成していくことが重要であります。このため、現行の支援制度に加え、現時点ではニッチトップ企業を目指す段階にはないものの、将来的にニッチトップ企業に成長する可能性がある企業を、「ネクストニッチトップ企業」と位置付け、新たに支援することといたしました。
一方、好調な経済状況の下、企業の人手不足感は依然として強まっており、企業の生産性向上や人材確保の取り組みを、質・量の両面から充実・強化いたします。
企業の生産性向上につきましては、昨年、企業のAI・IoTの導入に対し、資金面、技術面、人材育成面から、企業のニーズにきめ細かく対応する総合的な支援策を講じ、全力で取り組みを進めてきたところであります。
AI・IoTの導入助成については、多くの企業からの要望があったほか、「いしかわAI・IoT技術支援工房」における相談件数は、工房開設前を大きく上回っております。また、「AI・IoT実践道場」については、いずれのコースも定員を上回る参加があるなど、企業の取り組みが進んできております。
来年度は、導入助成の枠を倍増するほか、技術支援工房のセミナーを拡充して開催してまいります。また、実践道場については、定員を拡充するほか、企業が有する実際のデータを用いて、AIを活用したマーケティング等の手法を学ぶ、より実践的なコースを設け、人材の育成を進めることといたしました。
さらには、AI・IoT導入の必要性について、企業の理解をより一層深めるため、岐阜県と連携し、両県の先進企業の相互視察や、企業間の意見交換会を開催することといたしました。
また、事務部門においても、近年、定型的な事務作業を効率化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に対する企業の関心が高まっていることから、デモ機を用いた体験会を開催し、普及啓発を図ってまいります。
企業の生産性向上は、人手不足のみならず、競争力強化にも資する対策であり、企業の積極的な取り組みをしっかりと後押ししてまいります。
企業の人材確保に対する支援につきましては、昨年十二月に開設した「ILAC大阪」を活用し、合同企業説明会などの転職イベントを倍増するなど、関西圏におけるUIターン拠点としての取り組みを、本格化させてまいります。
学生の県内就職の促進については、県内外に進学する学生に対し、スーパーやコンビニ等で電子マネーとして使用できる「ふるさと石川就職学生カード(ISica)」を交付する取り組みを実施いたします。カードは、買い物時のポイントの付与に加え、ILACの就職イベントへの参加等に対してもポイントが付与される仕組みとし、学生には、進学後の早い段階から、地元就職への意識を高めていただきたいと考えております。
女性や高齢者の就職促進については、求人と求職のミスマッチの解消に向けた企業とのマッチングの機会を倍増するとともに、企業が採用した女性や高齢者への研修に対する助成により、職場定着を促進してまいります。加えて、就職を希望しているものの、具体の求職活動を行っていない女性や高齢者に対する出張型のセミナーを開催し、潜在人材の掘り起こしを図ってまいります。
企業の海外展開への支援につきましては、商談会の開催などを通じて、現地バイヤーとのネットワークの拡大に努めてきたところであり、食品や伝統的工芸品分野の輸出額が、五年前に比べて四倍になるなど、着実に成果が上がっております。
来年度も、バイヤーとのネットワークのさらなる拡大を図るため、県内企業の関心が高い東南アジアにおいて、(株)北國銀行との共催により、シンガポールでは四回目、香港では二回目となるビジネス商談会を開催することといたしました。
また、欧州市場については、今月一日、日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効し、EU加盟国との輸出入について、ほぼすべての関税が即時撤廃されたところであります。今回のEPAの発効は、欧州への輸出の追い風となるものであり、新たに、欧州においても、現地バイヤーとのビジネス商談会を開催し、県内企業の販路開拓の後押しをしてまいります。
現地の消費者に向けて、県産品や観光の魅力を発信する「いしかわサポーターズショップ」モデル事業については、店舗のオーナーや、展示品を提供した県内事業者から高い評価をいただいていることから、既存の四店舗で開設期間を延長するとともに、シンガポール、広州、ロンドンに、新たに四店舗を開設いたします。
加えて、これまでの取り組みを通じて、県産品を高く評価した現地の百貨店バイヤーから、本県の食品や伝統的工芸品を取り扱いたいとの意向が示されたことも踏まえ、新たに、シンガポールと香港の百貨店において、約三か月間、県産品を販売する「海外アンテナショップ」をモデル事業として実施することといたしました。
以上
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