ホーム > 県政情報・統計 > 知事のページ > 県議会の議案説明要旨 > 議案説明要旨(令和5年第5回県議会定例会) - 令和5年12月1日 -
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本日、ここに、令和五年第五回県議会定例会が開かれるにあたり、最近の県政の状況と提案いたしました一般会計補正予算及び特別会計補正予算並びにその他の諸議案につきまして、その大要をご説明申し上げます。
はじめに、いしかわ百万石文化祭二〇二三につきましては、天皇皇后両陛下のご臨席を賜り、十月十五日に開催した開会式をはじめ、「文化絢爛」をキャッチフレーズに、県内全市町において本県ならではの文化の魅力を発信する多くの事業を展開し、先月二十六日には閉会式を開催し、成功裏に終えることができました。県議会をはじめ、関係の皆様方のご支援とご協力に感謝申し上げます。
本大会は、「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」の来場者数が五万人を超え、皇居三の丸尚蔵館の巡回展としては過去最多を記録したほか、「チームラボ金沢城光の祭」の来場者数が十五万人を超えるなど、国内外から大勢の方々にご参加いただき、文化立県石川の底力を国内外に発信することができたものと考えております。
また、県民の皆様方には、本県文化の価値を再認識し、誇りと愛着を感じることができる素晴らしい機会になったものと考えており、この大会の意義や成果をレガシーとして後世に継承し、本県文化のさらなる振興につなげてまいります。
天皇皇后両陛下におかれましては、ご即位後初めて本県へご来県され、行幸啓期間中には県立音楽堂で開催された全国障害者作品展や県立図書館をご視察いただくとともに、多くの県民に慈愛に満ちた優しいお言葉をおかけいただきました。両陛下のお姿は県民の皆様方の心に深く刻まれたものと考えており、心より感謝申し上げます。
去る十月十七日、名誉県民の大樋陶冶斎先生がご逝去されました。長年にわたり芸術文化に尽くされたご功績に深く敬意を表しますとともに、安らかなご冥福をお祈り申し上げます。
県としては、県民の皆様方とともに大樋先生の偉大な足跡を偲ぶため、金沢市や関連団体とともに発起人となり、お別れの会を今月十日に開催することとしております。
七月に河北郡市を中心に発生した大雨災害から、五カ月が経過しようとしております。
県では、これまで、市町など関係機関と連携し、河川や道路などの被災箇所の応急復旧に取り組んだほか、本格復旧に向けて、国による災害査定も概ね完了したところであり、今後、復旧工事に全力で取り組んでまいります。
洪水被害が広範囲に発生した津幡川や能瀬川については、既に復旧工事に着手しておりますが、今回、国の追加認証を得て、被災箇所以外も含む一連の区間の改良工事を実施し、機能強化を図ることといたしました。
さらに、先般、国や県、河北郡市の市町等で構成する河北郡市流域治水対策検討部会において、「河北郡市緊急治水対策プロジェクト」を取りまとめたところであり、今後、これを基に、ハード・ソフト両面で取り組みを推進してまいります。
また、今般の国の補正予算に盛り込まれた「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を活用し、御祓川や犀川、動橋川等の河川改修や緊急輸送道路の整備などを、県下全域において促進してまいります。
さて、今回提案いたしました補正予算におきましては、国の総合経済対策に基づく補正予算に呼応し、物価高騰対策や先に申し述べた防災・減災、国土強靭化対策を盛り込むとともに、クマ被害の防止対策など、現時点で対応が必要となったものを計上したところであり、以下、その概要をご説明申し上げます。
電気料金をはじめとする物価の高騰が依然として続く中、国の追加物価高騰対策に呼応し、厳しい状況にある生活者、事業者に対する緊急対策を、六月補正予算に引き続き、講じることといたしました。
電気・ガス料金への支援につきましては、国による支援措置の延長を踏まえ、六月補正予算において県独自の支援措置として講じたLPガス利用者や、特別高圧契約で受電する事業者、高圧契約で受電する事業者のうち売り上げに占める電気料金の割合が高い事業者に対する支援について、来年五月分まで継続することといたしました。
収入が公定価格となっており、物価上昇の影響を価格転嫁できない医療機関・社会福祉施設等に対する支援についても、公定価格改定までの支援として、来年三月分まで継続することといたしました。
家庭の省エネの推進と家計負担の軽減を図る「省エネ家電購入応援キャンペーン」につきましては、四月末の開始以来、想定を上回る利用により、年内に予算上限に達する見込みであることから、年度末までを目処にキャンペーンを延長することといたしました。
クマ被害につきましては、全国的に市街地に出没するクマが増加し、人身被害が過去最多のペースで推移しております。
本県においても、令和二年以来となる人身被害が発生したことから、出没警戒情報を発令し、県民の皆様に一層の警戒を呼び掛けるとともに、市町に対して被害防止対策の強化を要請しているところであります。
さらに、今季は暖冬が予想されることから、早めの冬眠明けに備え、市街地での出没を想定した実地訓練のほか、出没が多いエリアの調査・分析等の緊急対策を講じることといたしました。
のと里山空港につきましては、令和五年奥能登地震の影響もあり、開港二十一年目の搭乗率は、低い水準で推移しており、例年、利用が落ち込む冬場を迎えるにあたり、首都圏と地元双方の利用促進を図るための緊急対策を講じることといたしました。
利用者の大宗を占める首都圏からの誘客を促進するため、カニやフグなど能登の魅力ある食を活用した冬季の旅行商品の広報を一層強化してまいります。
また、大きく落ち込んでいる地元利用の促進のため、先月開催した緊急会議で市町や関係団体から示された取り組みに加え、県としても、羽田空港での乗継便を活用した旅行商品の造成を支援することといたしました。
小松空港につきましては、国内線の利用者数は、コロナ禍前の水準に近づくなど着実に回復しており、引き続き、観光・ビジネスの両面から利用促進に取り組んでまいります。
国際線については、今月二十八日から週三便での運航が再開されるソウル便に加え、再開が延期とされていた上海便についても、小松空港国際化推進議員連盟の皆様方による中国東方航空本社への要請もあり、今月十七日から週二便での再開が決定いたしました。
安定的な運航には、インバウンドに加え、アウトバウンドの利用促進が不可欠であるため、北陸新幹線の県内全線開業後、小松空港までの所要時間が短縮される長野県において、国際線のPRを積極的に行うこととし、広域的な利用につなげてまいります。
今年度の職員の給与改定につきましては、先の人事委員会勧告どおり実施することとし、関係条例を今議会に提案しております。
繰越明許につきましては、年度末までの限られた期間に工事を完了させることが困難な事業について、今回の補正予算に計上することにより、年度を越えての標準工期の設定による良質な施工を担保するとともに、年度末・年度始めの端境期において、切れ目のない事業展開による公共事業の平準化を図るものであります。
以上が今回の補正予算の大要でありまして、一般会計補正総額は二百四十五億一千五百万円余となり、その財源としては、国庫支出金九十五億六千八百万円余、県債百四億二千百万円、諸収入二十三億四千四百万円余などを充てております。
このほか、公営競馬など二特別会計及び中央病院など四事業会計でも、給与改定等に係る所要の補正を行っております。
次に、その他の県政の諸課題につきまして、進捗状況等をご説明申し上げます。
石川県成長戦略につきましては、先の議会で議決を頂いたところであり、今後は、幅広い県民の皆様にご理解いただけるよう、多言語に対応した概要版や、PR動画の作成など、普及啓発に取り組んでまいります。
成長戦略の実行にあたっては、具体の施策や数値目標の進捗状況について、毎年県議会の各常任委員会に報告するほか、石川の次代を担う県内各地域の方々からご意見を伺う石川県成長戦略「ミライカイギ」を設置することとしており、現在、人選を進めているところであります。
こうした取り組みを通じて、成長戦略の実効性を高めてまいります。
北陸新幹線につきましては、今月九日には金沢・敦賀間の線路などの施設の安全性を確認する走行試験が完了し、今後、国土交通省による完成検査が実施されることとなっており、来年三月十六日の県内全線開業に向け、着々と準備が進んでいるところであります。
九月には、開業後の運賃と特急料金が発表されたところであり、今後、観光業界をはじめとした民間の方々の開業に向けた取り組みが一層加速していくものと考えております。
県としては、既にカウントダウンボードを県内各地に設置したほか、十月には、小松、加賀温泉両駅において、新幹線車両を歓迎するセレモニーを開催し、多くの県民の皆様にご参加いただきました。引き続き、今月九日の加賀市における三回目のカウントダウンフォーラムや、来年一月の小松、加賀温泉両駅の見学会の実施など、間近に迫る開業に向け、一層の気運醸成を図ってまいります。
先月九日からは、JR西日本により、開業をPRするテレビCMが開始されました。これに合わせて観光PRを集中的・波状的に実施するため、先月から本県観光ブランドプロデューサーの松任谷由実さんが出演する南加賀エリアの魅力を発信する動画の配信を開始いたしました。さらに、今月中にリニューアルする県観光公式サイトはもとより、開業前後には、首都圏のメディアに向けた観光PR会議の開催、北陸三県及び長野・岐阜両県の連携による広域観光ガイドブックの発行など、様々な媒体により発信し、開業効果の最大化につなげてまいります。
一方、東京方面からのはくたかの大多数が金沢駅止まりとなるといった課題に加え、大阪から能登方面に向かう際に、敦賀駅と金沢駅で二回の乗換が必要となるほか、大阪・和倉温泉間の料金が三割程度高くなるなど、利用者負担の軽減が課題となっております。JR西日本に対し、東京方面から小松・加賀温泉両駅への停車本数の増加に加え、関西・中京圏とのアクセスの維持・向上や、割安な企画切符の設定などを働きかけてまいります。
敦賀・大阪間については、施工上の課題を解決するための調査等が進められており、十月の北陸新幹線建設促進同盟会の中央要請において、調査費を最大限活用し、建設費や工期、地元負担額などの具体的なデータを明らかにし、着工五条件の早期解決を図るよう、沿線府県の知事や経済界等とともに、政府・与党に強く働きかけたところであります。
北陸新幹線の整備効果を最大限発揮するためには、大阪までの全線整備が必要不可欠であり、今後とも、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援を頂きながら、政府・与党に強く働きかけてまいります。
並行在来線につきましては、IRいしかわ鉄道(株)において、鋭意、金沢以西延伸に向けた準備を進めており、延伸後の運賃を、十月に国へ認可申請したほか、延伸後のダイヤ編成については、今月中にJRのダイヤ公表を受けて公表する予定としております。
今年度新たに創設した成長戦略ファンドによる支援につきましては、昨年度比で約六割増となる百七十四件の応募を頂いたところであり、電気自動車の走行距離の向上につながる新たなリチウムイオン電池の材料開発や、3D技術を活用した利用者にフィットする車いすの座面製造など、百二件の事業を本日採択することといたしました。
今後、いしかわ新事業創出支援コンソーシアムを核に、商品開発から販路開拓まで伴走支援を行い、多くの新事業の創出につなげてまいります。
県内大学生の県内定着の促進につきましては、今年度、意欲的な取り組みを行う県内高等教育機関と県が個別に協定を締結し、必要な支援を行う制度を設けたところであり、既に協定を締結した金沢学院大学、北陸大学に続き、今月六日には金城大学と、七日には金沢星稜大学と協定を締結いたします。
各大学が実施する本県で働く魅力を伝える講演会や、教職員と県内業界団体との交流会の開催等を支援し、県内定着につなげてまいります。
産業技術専門校につきましては、先般、石川県職業能力開発審議会から、今後求められる施設や機能について、答申を受けたところであり、この答申を踏まえ、今後の対応を検討してまいります。
本県の特色ある農林水産物につきましては、一大消費地である首都圏へ切れ目なく旬の県産食材を売り込むため、「いしかわ百万石マルシェ」等において、トップセールスを行い、来場した皆様から高い評価を頂いたところであります。
さらに、海外における販路開拓・拡大については、来年一月に台北市内の高級百貨店三店舗において開催される「石川フェア」において、特色ある食材や発酵食品など、現時点で十五社六十二商品の出品が予定されております。本フェアの開催を通じて、現地バイヤーとのネットワークの拡大を図り、石川の食文化の一層の魅力発信につなげてまいります。
観光データの活用推進につきましては、観光事業者による市場分析、大学での研究など、様々な場面で活用いただくため、十月から、観光入込客数やアンケート結果などのデータを可視化し、オープンデータとして提供する観光データ分析プラットフォーム「Milli(ミリー)」の運用を開始したところであります。
今後さらに、掲載するデータを充実させ、多くの方々に活用いただけるよう取り組んでまいります。
東アジア文化都市事業につきましては、先般、主会場となる七尾市をはじめ、市町や文化団体などで構成する実行委員会を立ち上げたところであります。来月十三日、金沢市で開催する、本県ゆかりのアニメ関連企業等と連携したイベント「アニメ・スタいしかわ」の場において、キックオフを宣言することとしており、引き続き、文化庁や七尾市をはじめ、関係機関と緊密に連携しながら、準備を進めてまいります。
音楽文化の発信につきましては、ゴールデンウィーク期間中の従来の音楽祭をリニューアルし、「ガルガンチュア音楽祭」として開催することといたしました。国内外の一流オーケストラや音楽家によるクラシック音楽を中心に、アニメ・映画音楽、さらには昭和歌謡まで、幅広い年代が親しみやすい石川ならではの音楽祭として進化させてまいります。
永い歴史に育まれ、継承されてきた厚みのある文化を有する京都府との間で、今月四日に連携協定を締結する運びとなりました。本協定に基づき、文化の振興、食文化の発信などに連携して取り組み、両府県のさらなる発展につなげてまいります。
これらを、国民文化祭のレガシー、いわば「ポスト国民文化祭」の取り組みに位置付け、本県文化のさらなる振興につなげてまいります。
東京オリンピック・パラリンピックのレガシーであるアジア・パシフィック・カヌースプリント大会につきましては、先月十七日、国内の開催地では開始以来二大会連続となる小松市の木場潟での令和七年春の開催が決定しました。県としては、カヌー競技の振興と国際交流に寄与する大会となるよう、準備に万全を期してまいります。
知事公舎の利活用につきましては、これまで二回の検討会を開催し、基本構想の策定にあたっての利活用の基本的な考え方について、ご議論いただいたところであり、今月二十一日には第三回の検討会を開催し、取りまとめを行うこととしております。
金沢城二の丸御殿につきましては、先月、第四回の復元整備専門委員会を開催し、復元整備に係る設計案や、障壁画、欄間彫刻の再現に向けた検討状況などについて、ご意見を頂いたところであり、引き続き、来年度の工事着手を目指し、検討を進めてまいります。
金沢城公園の情報発信計画については、昨日、第二回の検討会を開催し、アンケート調査や、人流データなどのビッグデータにより分析した来園者の属性情報等を基に、素案をお示ししたところであり、引き続き、年度内の策定に向け、検討を進めてまいります。
金沢港につきましては、十月に第二回の将来ビジョン検討委員会を開催し、目指すべき将来像を実現するための重点戦略やゾーニング等をお示ししたところであります。委員からのご意見や、本日から開始するパブリックコメントの結果も踏まえ、年度内の策定に向け、引き続き取り組んでまいります。
クルーズについては、三月に国際クルーズが再開し、クルーズ船各社とのネットワークを活かした誘致活動に積極的に取り組んだ結果、今年は四十七本が寄港しました。来年は、イタリアのコスタ社が日本海周遊クルーズを実施することが既に決定したほか、現時点で、少なくとも今年と同程度の寄港が見込まれております。今後とも、万全の受入体制を整えるとともに、クルーズ船社への誘致活動、利用促進に取り組んでまいります。
広域道路ネットワークの整備につきましては、先月十一日に国道三〇四号の最後の整備区間となる清水谷バイパスを完成供用したほか、のと里山海道の柳田インターチェンジから上棚矢駄インターチェンジ間の四車線化について、先月二十五日に、既に供用している区間に続く南側の一部区間を、暫定三車線で供用したところであります。
いしかわ特別支援学校の知的障害教育部門高等部の新校舎の整備につきましては、十月に、起工式を執り行い、建設工事に着手いたしました。令和七年四月の開校に向け、全国のモデルとなる本格的なインクルーシブ教育の実施に向けてハード・ソフト両面からの準備を鋭意、進めてまいります。
社会福祉会館の建て替えにつきましては、十月に、在り方検討委員会から、新会館のコンセプトや機能について最終的な検討結果をご報告いただいたところであります。これを踏まえ、次の段階として基本構想の策定に進んでまいりたいと考えております。
感染症対策につきましては、季節性インフルエンザの感染拡大を踏まえ、例年より早く、一昨日、警報を発令いたしました。冬場を迎え、新型コロナウイルス感染症との同時流行も懸念されるため、県民の皆様におかれましては、換気・手洗いなどの基本的な感染対策を徹底いただきますよう、改めてお願い申し上げます。
国民健康保険につきましては、国は、保険財政の安定的な運営のため、県単位での保険料水準の統一に向けた取り組みを加速させる方針としており、本県としても、各市町の保険料水準の将来的な統一を目指す方針を石川県国民健康保険運営協議会にお示ししたところであります。今後とも市町と丁寧に議論を重ね、統一に向けた準備を進めてまいります。
性の多様性に関する理解増進条例につきましては、今議会での提案を目指し、条例の必要性や意義について県民の皆様にご理解いただけるよう、セミナーやタウンミーティングを実施してまいりましたが、県民一人ひとりに、人権に関わる社会全体の課題として認識し、理解していただくためには、一層の普及啓発が必要と感じており、今議会での提案を見送ることといたしました。引き続き、様々な方法で、普及啓発に取り組んでまいります。
災害対策につきましては、災害の激甚化・頻発化を踏まえ、全庁挙げて迅速かつ的確な対応を行うため、十月に臨時の防災会議を開催し、顕著な大雨に関する気象情報や大雨特別警報が発表される場合などには、災害対策本部を自動的に設置することといたしました。
防災総合訓練については、先月、能登町において地域住民や消防、自衛隊、海上保安庁など多数の防災関係機関の参加を得て、緊急消防援助隊中部ブロック合同訓練と併せて実施いたしました。今回は、緊急消防援助隊や警察、DMATと連携した実践的なトンネル崩落事故対応訓練などを初めて実施したところであります。
原子力防災対策については、先月、三十キロメートル圏内の市町や防災関係機関等の参加を得て、住民参加型の実働訓練を実施いたしました。今回は、初めて夜間に避難退域時検査を実施するなど、より実践的な内容としたところであります。
今後、これらの訓練結果を検証し、防災対策のさらなる強化に取り組んでまいります。
消防学校を核とした総合的な防災拠点につきましては、十月に第二回の基本構想策定委員会を開催し、新たな消防学校に求められる機能等についてご意見を頂いたところであり、年度内の取りまとめに向け、さらに議論を重ねてまいります。
カーボンニュートラルの推進につきましては、省エネ、創エネ住宅の新築・改修や電気自動車等の購入に対する補助制度への申請数が昨年度を上回るペースとなっております。本県は、家庭・運輸部門における温室効果ガスの排出割合が全国に比べて高いことを踏まえ、引き続き、県民の皆様による実践を促してまいります。
森林による温室効果ガスの吸収量をクレジットとして発行・売買する「Jクレジット制度」については、吸収量の測定が完了した県有林八百ヘクタールを対象にクレジットの取得を申請した結果、先月十六日に発行量が確定し、今月十一日より、企業を対象に販売を開始することといたしました。収益は森林整備に活用し、森林の公益的機能の向上につなげてまいります。
トキの放鳥につきましては、十月に、環境省や、放鳥の先進地である佐渡市、本県をはじめとする放鳥候補地等からなる「トキと共生する里地づくりネットワーク協議会」が志賀町で開催され、放鳥に向けた意見交換を行ったほか、環境省に対し、風力発電や獣害対策といった本州固有の課題の解決に向けたガイドラインの策定等を要望いたしました。
また、生息環境の整備については、餌場に加え、ねぐらとなる営巣林も重要であることから、地域の皆様に営巣環境を学んでいただく「トキ営巣モデル林」を、年度内に能登の四市五町において選定するなど、早ければ令和八年度となる放鳥の実現に向けて、トキ放鳥推進ロードマップに基づく取り組みを着実に進めてまいります。
官民の様々なデータを連携して活用する「広域データ連携基盤」につきましては、年度内の運用開始に向けて構築を進めているところであります。
市町と連携し、公共施設等の情報や人口等の統計情報などのオープンデータを一元的に集約し、誰もが容易に利用できる環境を構築するほか、マイナンバーカードによる本人認証機能を提供し、これを活用した市町や事業者による住民等への各種サービスの実施に向け、準備を進めてまいります。
金沢競馬につきましては、先月十九日の薄暮レース中に走路照明が突然消灯し、騎手三名が落馬する事故が発生いたしました。
これにより二名が救急搬送されたほか、競走馬一頭が安楽死処分となりました。
今回の事態を大変重く受け止めており、怪我をされた騎手の方々に、心からお見舞い申し上げるとともに、馬主をはじめ、関係者の方々、ファンの皆様に深くお詫び申し上げます。
今後、再発防止策を徹底し、安全なレースの実施に努力を尽くすとともに、関係者への補償について、誠実に対応してまいります。
なお、今年度は、現在地移転五十周年を記念したイベント等の取り組みにより、売り上げは前年同期を上回っており、十二年連続の黒字となる見込みであります。
今後とも競馬関係者のご協力を頂きながら、さらなる魅力向上と経営基盤の強化に努めてまいります。
北朝鮮は、再三にわたる国際社会の警告を無視し、弾道ミサイルの発射を繰り返しております。
本県の漁船に被害はなかったものの、度重なる弾道ミサイル発射は、国民の生命・身体・財産、我が国の領土・領海の安全を脅かし、一連の国連安保理決議に違反する行為であり、国においては、国際社会と連携し、外交・経済等あらゆる手段を通じ、断固とした対応をとっていただきたいと考えております。
志賀原子力発電所につきましては、三月に、原子力規制委員会の法律に基づく新規制基準への適合性に関する審査会合において、敷地内断層の活動性はないとする北陸電力(株)の評価が概ね妥当とされ、現在は、引き続き、敷地周辺断層の活動性等について審査が行われております。
規制委員会には、科学的な根拠に基づく厳正かつ迅速な審査が行えるよう体制の拡充・強化を図るとともに、審査結果はもちろん、審査の方法や手続きを含め、地元住民はもとより国民の理解と納得が得られるよう、しっかりと説明責任を果たすことを引き続き強く要望してまいります。
原子力発電所は安全確保が大前提であり、北陸電力(株)には、今後とも、より一層の安全対策に取り組むよう強く求めてまいりたいと考えております。
知事に就任して一年八カ月が経過いたしました。知事という職に対する畏敬の念を持ち、私に課せられている使命の大きさと責任の重さを改めて肝に銘じ、緊張感を持って日々精進し、職務に邁進してまいります。
県政の要諦は、県民の安全を守る「危機管理」であることを胸に刻み、県政の羅針盤である石川県成長戦略を積極果敢に実行し、「幸福度日本一の石川県」の実現に向け、全力を傾注してまいる所存であります。
以上をもちまして、私の説明を終わりますが、なにとぞ慎重ご審議のうえ、適切なるご決議あらんことをお願いいたします。
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