ホーム > 連絡先一覧 > 白山自然保護センター > 中宮展示館 > 中宮展示館 自然情報 平成30年8月1日~8月15日
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◆◇◆トピックス◆◇◆
7月後半~8月中旬にかけて、展示館周辺では【イヨシロオビアブ】(通称:オロロ、オロ)と呼ばれるアブが飛び始めます。このアブは小さくて、かなりすばしっこく、皮膚を切り裂いて血を吸います。吸血されると痛みを伴うことがあるので注意してください。
この“オロロ”はここに限らず山間の渓流に多くいるので、そのような場所に行かれる時も十分注意が必要です。 虫除けスプレーもほとんど効かないのですが、対抗策としては
1.時間・・・朝、夕に活発に動くので、なるべくその時間帯は外を避ける(ただし天候によっては日中に多い場合もあります)
2.色・・・黒、濃紺など濃い色の衣服は避ける。薄い色の長袖の服をはおるのもいいかもしれません。
3.車の窓・・・目的地付近にきたら、スピードを落とす前に車の窓を全て閉める。オロロは排気ガス(二酸化炭素)に寄ってくるので、車のスピードが落ちた瞬間、大量のオロロが車の周りを飛び始め、隙間があれば容赦なく入ってきます。
4.待つ・・・車を停めたらすぐにエンジンを切り、しばらく中にいる(車の周りを飛び回っていますが、時間が経つと少なくなるので少なくなったら車から出てください)。逆に、乗車時は全員が車に乗ってからエンジンをかけてください。もし中に入ってしまったオロロがいても、少し走りだしてから窓を開けると大抵は出ていきます。車の中で吸血されることは少ないです。オロロがいても決して慌てず、事故のないよう冷静に行動してください。
5.吸血されたら?・・・もし吸血されたら、かいたりせずポイズンリムーバーなどですぐに患部を吸い取るか、虫刺されの薬を塗ってください。ひどいときは痛みが2~3週間続くこともあります。
この時期はどうしてもこのオロロから逃れることはできません。でも習性を知っていれば、いくらか対策を考えられます。これも上手に自然と付き合う一つの方法なのかもしれませんね。
イヨシロオビアブ(オロロ)
実は先月、展示館近くの場所で偶然にもアカショウビンが巣作り(?)のような行動をとっているのを目撃しました。でも時期的にも少し遅いような気もするし、とりあえず様子を見てみようという事で観察をしていました。ただでさえ警戒心の強い鳥なので、刺激しないよう遠くから観察していましたが、残念ながら数日で放棄してしまったようでした。5月に初めてここで姿を見ることができ喜んでいたのに、まさか巣作りの様子まで観察できるとは思ってもみず、とても貴重な観察が出来ました。今度は巣立つまで観察出来ればいいなぁと、ぜいたくな思いにかられた出来事でした。
偶然木の穴に入っていく姿を発見!尾羽が見えています。
つがいで交互に穴を改装しているようで、時折木くずが舞っていました。
木の穴から顔を出すアカショウビン
もう一羽は近くの枝で待機していました。
こちらはお腹の色からオスかと思われます。
オスと入れ替わり、今度はメスと思われるアカショウビンが待機。
これを数日繰り返していました。
数日後また姿を見せ、何をするでもなく止まっていました。
でもこの後姿を見せなくなりました。
朝、空を見ていたら、イヌワシが突如現れてスッと木に止まりました。「お~珍しく止まった!」と見ていたら、更にもう一羽が止まり、テンション上昇(笑)。今まであまり止まったことのない木だったので「もしやイヌワシではないのか?」と半信半疑になりつつ観察していたら、その内一羽が飛び出し、やはりイヌワシと確認。飛び立ったイヌワシを追っていて、ふと木を見たらもう一羽がいない・・。あれ?どこ行った?と探していたら、すぐ近くを飛んでいました。「こんな近くを飛ぶなんて、まさか幼鳥?」とドキドキしながら確認しましたが、違いました。
8日にもいつもの場所ではない所を飛んでいましたが、これも幼鳥ではありませんでした。 かなり近くを飛んでくれたので嬉しいのですが・・イヌワシさん、早く子どもを連れてきてくださ~い!
※地元の新聞にて、先月ここで見られるつがいの幼鳥が巣立った記事が掲載されましたが、展示館ではまだ姿が確認できておりません。もし幼鳥を見かけられた方はご一報頂ければ幸いです。
木に止まるイヌワシのつがい。
その内の一羽はものすごく近くを飛びました。
いつもとは違う所を飛ぶイヌワシ。
実際にはこんな感じで見られることが多いです。(8月8日)
この日、朝出勤したら近くのキハダの木にヒラヒラと舞うチョウを発見。双眼鏡を覗いたらここでは珍しいミズイロオナガシジミでした。すると今度は私のすぐ横にこれまたあまり見ないミスジチョウが降りてきました。「朝から立て続けに珍しいチョウが見れた!」と少しテンションが上がり、しばらくその辺りを探してみました。すると、いつも見られるチョウに加え、ここでは珍しいチョウやこれまで観察出来ていなかったチョウがいくつか姿を現し、「Mさん!また違う模様のチョウが来た~!」と、いい大人が大はしゃぎ(笑)。結局午前中の数時間で20種類ものチョウが観察出来ました。そのほとんどがメスだったのですが、「ここのチョウに一体何が起こったんだ?」「昨日何かあったのか?」「チョウの女子会でも開いてたのか?」と段々思考回路がおかしくなるような、それほど珍しい観察ができました。しかし、本当に何が起こったのか謎な出来事でした。
ちなみにこの時期に1日で観察できるのは平均約10種類前後です。また、展示館周辺では今までに約70種類※のチョウが観察されており、その内の約3分の1が数時間で観察された事になります。→参考文献 普及誌はくさん 第43巻第1号
※普及誌の発行時(2014年)は54種でしたが、現在までに種類は増え、更に今回また増えました。
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その他この日に観察されたチョウ コミスジ、アカシジミ、オナガシジミ、カラスアゲハ |
この日の夜、展示館で「白山まるごと体験教室 探検!発見!白山ろくナイト」が開催されました。真っ暗な夜の森を歩き、生き物たちの形跡を探したり、鳴き声を聞いたり、灯火に集まってくる昆虫たちを観察したりしました。この辺りは街灯もないので、夜になれば本当に真っ暗になります。そんな中での体験は子どもたちにとっては面白い体験になったのではないでしょうか。
まずは生き物などのお話を聞きます。
灯火に集まってきた昆虫を観察。
館内の明かりに誘われたのか入り込んできたヤマアカガエル。
参加したかった?
サルたちが約一週間ぶりに現れました。サルたちも暑かったのか、まだ涼しいうちにやって来てケナシヤブデマリの実を食べ、サッと帰っていきました。心なしかちょっと元気がなかったような・・?
ケナシヤブデマリの実を食べるサル。
木陰で一休み。
花や実の観察 できた植物 |
リョウブ、ソバナ、ハンゴンソウ、ミズタマソウ、クズ、クサギ、ウド、オトギリソウ、ミゾホオズキ、ツノハシバミ(実)、ケナシヤブデマリ(実)、オニグルミ(実)、ミズキ(実)など |
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哺乳類 | ニホンザル、ノウサギ |
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鳥類 | イヌワシ、トビ、クマタカ、ホオジロ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、キセキレイ、アマツバメ、イワツバメ、カケス、ホトトギス(鳴)、ウグイス(鳴)、キジバト(鳴)、ヨタカ(鳴)、トラツグミ(鳴)、ドラミングなど |
爬虫類 |
シマヘビ、カナヘビ、ニホントカゲ |
両生類 | ヤマアカガエル、モリアオガエル |
昆虫 | キアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キタキチョウ、アカタテハ、シータテハ、ルリタテハ、アサマイチモンジ、サカハチチョウ、ヤマキマダラヒカゲ、ミスジチョウ、コミスジ、アサギマダラ、クロヒカゲ、ヒメキマダラセセリ、アオバセセリ、ダイミョウセセリ、キマダラセセリ、ヒメキマダラセセリ、ウラギンシジミ、ルリシジミ、ミズイロオナガシジミ、アカシジミ、オナガシジミ、トラフシジミ、フジミドリシジミ、ミドリシジミ、ムラサキシジミ、オニヤンマ、アキアカネ、オオシオカラトンボ、ムカシヤンマ、ゴマダラカミキリ、オオスズメバチ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、アブラゼミ(鳴)、ヒグラシ(鳴)、キリギリス、フキバッタ、カマドウマ、キマワリ、イヨシロオビアブ、ウシアブ、など |
その他 | サワガニ |
ミゾホオズキ(8月4日)
ツノハシバミ(8月7日)
クズ(8月8日)
ウド(8月8日)
ミズタマソウ(8月10日)
ムカシヤンマ(8月1日)
コアオハナムグリ(8月2日)
アゲハモドキ(8月4日)
ニイニイゼミ(8月7日)
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