ホーム > くらし・環境 > 社会基盤整備 > 公園整備・緑化 > 金沢城公園の整備について > 「金沢城玉泉院丸」の整備について > 第41回(平成26年8月27日)
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休憩所の外構は、茶会での利用も想定した庭づくりを行っています。
茶室の庭のことを露地とも呼びますが、休憩所の場所は、江戸時代後期には 「露地役所」という庭などの整備管理に関する建物があった場所です。
露地には必ず、手を清める手水鉢(ちょうずばち)を置きます。
今回の置き方は縁先手水(えんさきちょうず)と呼ばれる様式で、縁側の方から使うことを想定したものです。
実際にひしゃくを使って、水を汲みやすい位置や高さを決めていきます。
手水鉢には様々な形状がありますが、今回使用するのは橋杭(はしぐい)型と呼ばれるものです。
橋の橋脚のような円柱の形状で、橋脚らしさを表現するため、台に置かず直に据えます。
橋の景観を再現する意図で、周囲の石組みの工夫により、流れや護岸の雰囲気を表現することもあります。
縁先手水鉢の周りの石には置き方に決まりがあり、役石と呼ばれる石が4つあります。
石の配置は、場所によって変わることもありますが、上の写真で、手水鉢の奥、縁側の下でかがんでいるように置かれる石が「蟄石(かがみいし)」です。
鉢からこぼれた水の跳ねを防ぐ役割の石で、青石を使うことが多く、今回もこれに習っています。
手水鉢の手前に置かれている石が「水揚石(みずあげいし)」です。
主人が手水鉢に水を入れるときに乗る石です。
手水鉢の左側に置かれている石が「清浄石(せいじょうせき)」です。
手水鉢の脇に置く石で、「覗き石(のぞきいし)」とも言われ、水汲石との調和のために立石のような形の石を使います。
手水鉢の右側に置かれている石が「水汲石(みずくみいし)」です。
貴人が手水を使うときに、臣下の者が杓に水を汲むために乗る石です。
こういった約束事は、江戸時代の作庭書には、既に詳細な記述が見られます。
築山庭造伝後編(1828年)
蟄石の青石以外は全て、戸室石、福浦石、小烏石など石川県内の石を使っています。
手水鉢と役石の配置がほぼ決まりましたので、順次、周辺を仕上げていく予定です。
(大)
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