カキ リゾプスによる果実腐敗

1.宿主名

2.宿主科名

3.病名

4.病原

Rhizopus stolonifer（リゾプス・ストロニファー）

5.診断

台風後に収穫した果実が急激に軟化腐敗する被害があった。被害果はクモノス状のカビで覆われ、のちに黒いカビにかわった。これはリゾプス菌の菌糸（白色）が胞子のう（黒色）を形成したためである。
被害果から分離されたリゾプス菌を果実に接種したところ、無傷（右）ではまったく腐敗をおこさないが、針で一か所突いただけの有傷（左）では24時間以内に、ほぼ果実全体が軟化腐敗した。
傷が無ければ感染しないが、ごくわずかな傷で感染し、症状の進行は極めて早い。
収穫時にまったく症状の認められないものでも、貯蔵・流通時に急激に進展する恐れがある。