ホーム > 連絡先一覧 > 石川農林総合事務所 > ほんながや通信(管内ニュース)バックナンバー > ほんながや通信(第17号)平成21年12月24日
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何時の間にか、後僅かで正月を迎えます。読者の皆様には何かとお世話になり有難う御座いました。
正月といえば、今号でも取り上げた糯(もち)(餅とも)のハナシですが、生産者のある方によれば「糯米は白山もち、カグラモチが多いけど、やっぱり昔からの新大正(しんたいしょう)糯は煮てもくずれんし最高、もう一つ滋和(しわ)もちは加賀の黒糯とも言われ(稲穂が普通より黒い)伸びと風味がよーてきめが細かい。ほんで硬化の遅いのが特徴やけど欠点でもあるがや。ほんでも丈がコンバインからはみ出るほどなごーて倒れやすいし、収穫が10月下旬と遅いんで殆ど作らんようになったけど、地元では最高級品として保存していくつもりや。新大正糯は一寸は作りやすいし何とか少しでも商品化してみたい」とのこと。
先日、この滋和もちを搗いたと聞き雑煮のお相伴に与ったところ、前口上のとおり箸でもち上げても中々ちぎれず、歯ごたえは抜群、重量感たっぷりでした。
このこだわりが地域の特産物を育てるのだなあ、としみじみ感じました。
地域に住む消費者の皆様も新年はたかがもちと言わず噛みしめて味わって見ませんか。
それでは来年もよろしくお願い申し上げます。
【第17号の話題】
平成21年12月24日
石川農林総合事務所長 中川哲夫
当事務所管内には、養鶏農場が大小12ヶ所あり合わせて約1万羽が飼養されていますが、これから本格的な渡り鳥の飛来シーズンに入り鳥インフルエンザの発生が危惧される季節となりました。
これを受け、11月26日(木曜日)当事務所会議室において管内の県・市町職員、警察署等行政関係者26名が参加し、鳥インフルエンザ地域防疫会議が開催されました。
最初に、南部家畜保健衛生所防疫課田中、高井両主幹から鳥インフルエンザの病学及び防疫処置について、パワーポイントで説明の後、今年度初めての試みで鳥インフルエンザ発生から3日間の流れを机上により訓練を行いました。ひとたび発生すると発生農場だけに収まらず県全体に大きな影響が及ぶとあって各担当者は真剣な面持ちでやり取りを行っていました。
鳥インフルエンザ疫学について南部家畜保健衛生所、高井主幹からの説明状況
緊迫したやり取りを実施中の机上訓練状況
松任市農業協同組合(JA松任)の中央カントリーエレベーターの再編整備工事安全祈願祭が12月8日(火曜日)行われました。安全祈願祭には、北川巌組合長をはじめ、同組合役員や工事関係者ら約50名が参列し、工事の無事を祈願しました。
この施設は、昭和53~54年に建設されたものであり、近年、1回の処理量が少ないため大規模農家に対応できず、処理時間を要すること、老朽化による修繕費の増加などが課題となっていました。
このような中、今年の国の緊急経済対策で「穀類乾燥調製貯蔵施設等の再編利用」が事業メニューとして追加されたことを受け、JA松任として、1 水稲と大豆の作付けに加え、新たに大麦の作付けを推進2 貯蔵施設を持たない大規模農家の乾燥籾を受け入れる ことで施設利用率の向上を図るという再編利用計画を作成し、事業に取組むこととしました。
事業内容は、処理量の増加に対応できる機械設備の能力増強や米と大麦との異種粒混入防止のための色彩選別機の導入などが計画されています。
念願であったこの工事は、来年5月以降の大麦の受入れに間に合わせる必要があり、これから、貯蔵タンクにある籾の出荷状況を見ながら、順次、工事を進め、年度内の完了を目指します。
参列者全員、神妙に低頭
工事の安全を願って敷地四方で清祓いの儀
滞りなく式を終え施主(北川巌組合長)の挨拶
当管内で農林工事を行う業者で構成する石川農林安全対策協議会が12月10日(木曜日)、金沢労働基準監督署神谷厚生労働技官を迎えて工事現場の安全パトロールを行いました。
当日は青天に恵まれ、会員、工事施工者、当事務所職員ら38名が参加し、管内施工中の現場2ヶ所を巡回しました。
現場では、現場代理人から安全管理対策の取組や工事概要の説明を受け、参加者全員で安全対策を検証しました。その後、松任建設業協同組合会議室で神谷技官から講評を受け、指摘事項はありませんでしたが、転落防止柵の設置位置や工法、トンパックの詰め込み土砂量による安全性について指導を受けました。
その他、今年度11月末までの県内で発生した労働災害は、件数やけが人は前年より減少している一方、死亡事故は増加していることや、業種別では製造業は減少しているが建設業が増加しているとの説明もありました。最後は指導を受けた現場代理人から直ちに改善するとの力強いコメントも出されました。
今回のパトロールを契機にそれぞれの現場の安全対策を再確認し、官民が協力してゼロ災害に努めて行くことを誓い合いました。
白山建設(株)現場代理人から工事概要、安全対策説明
予防治山事業口直海地区山腹工事(白山市河内町口直海地内)
酒井工業(株)現場代理人から工事概要、安全対策説明
県営かんがい排水事業中村用水地区水路工事その3(白山市福増、横江町地内)
参加者による安全対策チェック中
安全対策の確認中
安全性バツグンな伸縮タラップ
講評に当たり石川農林安全対策協議会 柏野伝一会長挨拶
金沢労働基準監督署 神谷厚生労働技官より講評を受ける
指導を受けたトンパック
指導を受けた転落防止ロープ
間伐材使用の安全防止表示板
間伐材使用の工事表示板
中山間地で管理の手が及ばなくなり、雑草が繁茂したままになった耕作放棄地を、和牛放牧によって管理する方法が試みられています。
和牛放牧は、牛に食べさせて雑草を退治できるほか、牛にとっても、あまり手をかけなくても健康に育つという長所があります。
今年も管内では、白山市瀬波、佐良、木滑の3地区で、9月9日(水曜日)から1ヶ月余り、計6頭の和牛が放牧され、元気に雑草を食べ、冬が近づいた11月18日(水曜日)に無事我家へ帰りました。
伸び伸びとした環境になれた牛たちの中には、捕らえられるのを嫌がって飼い主を手こずらせるものもいました。
毎日様子を見て世話をしていた地元の方も、名残惜しそうに牛たちを見送り、来年の再会を望んでいました。
当事務所では、今後とも耕作放棄地解消対策の一環として白山市等関係機関とも連携して和牛放牧を進めて行くこととしています。
読者の皆様、来年も楽しみにしていて下さい。
放牧開始時の様子(瀬波地区、9月9日)
雑草がきれいに無くなり放牧終了(瀬波地区、11月18日)
逃げ回る牛をようやく確保(佐良地区、11月18日)
牛舎へ帰るトラックへ乗せるのも一苦労
農業従事者の高齢化が進む中、次の世代の担い手へスムーズに農業経営を引き継いでいくことは、様々な問題があって簡単ではありません。そのような状況の中、当事務所では、管内の園芸産地の将来を農家や関係者らが考えるとともに経営継承のやり方を学ぶため、いしかわ農業人材機構と共催で、農業の経営継承の第一人者である中央農業経営センター農業経営研究チーム長の梅本雅氏を講師に招き、12月7日(月曜日)に白山市民交流センターで、「いしかわ耕稼塾 経営継承講習会」を開催しました。
講習会には、管内の園芸農家やJA、市町等関係者43名が参加し、産地における継承対策の視点や意義、実践事例、留意点等を学びました。また、参加者からは、「ふさわしい継承者はどのようなものか」という質問があり、「技術力、資金、決断力、責任感について一定レベル以上であることは言うまでもないが、産地の現状を受け入れたうえで、それを発展させていく人が適している」という回答をいただきました。
今後は松任地区のトマト産地をモデルとして研修を進めることとし、講演会終了後、JA松任トマト部会の方々と講師達が膝を交えて意見交換し、先ずは来年2月末までに3回の研修を行う中で具体的事例で検討していくこととしました。
梅本チーム長による講演会
JA松任トマト部会員との意見交換
-特集-
石川農林の最新工事情報
当事務所の土地改良部では水路工事やほ場整備工事、森林部では堰堤工事や林道工事などを中心に多様な公共工事を実施しています。
各現場では完成に向けまさにピークを迎えており、様々な工事の中からいくつかご紹介します。
表土剥ぎ → 基盤整地 → 表土戻し → 用排水路布設 → 畔溝畦築立 → 完成
本事業は生産条件が不利な中山間地域において、農業・農村の活性化を図り、農業生産基盤の整備と農村生活環境等の整備を総合的に実施することを目的としています。
本年度は10月以降の好天に恵まれ、工事も順調に進み遅れもなく工期内に完了し、完成検査を12月21日に終えました。
山あいで美しく整備された水田となり、来年は黄金色の絨毯に!
田面高の均平作業中
大事な畦畔きれいに仕上げる
工事も最終段階です、最後まで慎重に!
下地処理 → ひび割れ補修 → 表面被覆 → 目地補修 → 完成
本工事は、老朽化した水路表面を耐久性・耐摩耗性を有する靭性モルタルで補修することにより、既設水路を長寿命化させることを目的としています。
工事も順調に進み遅れもなく完了し、検査を12月9日に終えました。
きれいに補修され、施設も長持ちします。
ひび割れ、損傷状況の確認調査
現在の状況をチェック
特殊な液体を調合し吹き付け状況
入念に吹き付け
当事務所森林部では、急峻で足場が確保できない現場条件のため通常のバックホーでは掘削が不可能なところを特別な機械“高所掘削機械”(特殊なバックホー)で施工している現場があります。
そこは白山市木滑地内の林道開設現場で、施工中に崩壊や落石が発生しており、人力掘削では非常に危険なため当掘削機械を採用することとしました。この機械は斜面に張ったケーブルを使用して斜面を登り降りしながら斜め横方向を掘削整形できるスグレモノです。
当管内には現場条件が悪く危険が伴う現場が多くありますが、このように安全に十分注意しながら早期の完成を図っています。
急峻な崖にへばり付きながら掘削中
ユンボ(yumbo)はもともとフランス・シカム社で作られるバックホーの製品名称である。
1961年に「ユンボ」名で発売した国産機械が当たり、その後バックホーの代名詞として浸透してきた。
当事務所森林部では、山腹崩壊の急斜面での森林復旧を実施していますが、奥地での現場は道路がなく急峻な地形が多いため、近くの林道から索道(ケーブルクレーン)を張り資材の運搬をするとともにバックホーも運搬しています。
バックホーは重量があるため分解して運搬、再度現場で組立てて掘削作業をしています。仮設道路を開設すると多額の経費が掛かることや自然環境破壊となるため、このような工法がよく採用され工事が進められています。
バックホーを分解し、ケーブルクレーンで運搬中バックホーを分解、運搬(吊り上げ)状況
現場で組み立て中
アームが届き組み立て完了間近
組み立て完了
当事務所森林部では水源地域の保安林を適正に管理することで土砂の流出防止や温暖化防止に寄与することを目的として各地で森林整備を行っています。
県の水瓶とされている「手取川ダム」の上流域に位置する白山市桑島地内の水源林でも生育が悪いものや雪折れした木等を選んでの間伐や枝打ちで林内を明るくし、樹木の成長を促して木の緊縛力を高めることで森林の保全を図っています。
しかし、当地域はクマによる皮剥被害が多い場所であり、写真のような牙痕が沢山ありました。
白山地区は過去にもクマによる人的被害が発生しており、この現場では工事の安全管理と併せてクマにも警戒しながら作業を進め、今回は幸いクマとの遭遇はなかったとのことです。
鬱蒼とした密閉林間状況(間伐実施前)
樹間が広くなり日光が差し明るくなった(間伐実施後)
クマハギ被害にあった幹
うまいもん みぃ~っけコーナー
そろそろ正月も近いですし、石川県民には餅好きが多いということで、今回は餅の話題を取り上げました。
白山市橋爪町にある(株)六星は、自らが栽培した安心、安全な農産物を、自ら「お餅」や「漬け物」に加工していることで知られており通常のお餅やお米などの主力商品はインターネットでも購入することができますが、社内の直売所では新鮮野菜や果物を始め、インターネットでは購入することができない魅力的な商品が数多く販売されており、中でも、お勧めなのが「つきたて丸餅」なのです。この丸餅は、何と和菓子のコーナーで、販売されており、宮城店長の発案で、最初は期間限定の試みだったそうですが、あの、つきたての温かくて柔らかいお餅の食感が大好きな石川県民らに熱望(?)され、今では、年中販売するようになったのだそうです。
現在、「あんこ」、「きなこ」、「おろし」の3種類の味があり、あんこ用の小豆は社員が珠洲市の圃場にまで行って「能登大納言小豆」を栽培しているというこだわりの一品。きなこ用の大豆(白山市産エンレイ)やおろし用の大根(総太りダイコン)も全て社員が手塩にかけて育てたものを使用しています。「あんこ」や「きなこ」の味付けについては、素材の良さを引き出すため、甘さも控えめにしてあるので、男性ファンも多いとか・・。
そこ(直売所)に行かなければ手に入れられない味覚があります。おいしいですよ!
「あんこ」
「きなこ」
「おろし」
つきたて丸餅(白)各種 1個 63円です。
よもぎ入りもあり各種 1個 73円です。
※毎日10時00分~ つきたてを提供しています !(その後は、なくなり次第、つきはじめるとのこと。)
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