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室町時代
長壽寺 七尾市
(石川県七尾美術館保管 七尾市小丸山台1-1)
縦166.0センチ 横115.0センチ
県指定文化財 平成26年1月10日指定
七尾市小島町の日蓮宗寺院である長壽寺は、室町時代の長禄元年(1457)開創とされ、長谷川等伯の養家である長谷川家の菩提寺である。
江戸時代(17~18世紀)
石川県立美術館 金沢市出羽町2-1
縦117.7センチ 横296.8センチ
県指定文化財 平成30年1月30日指定
左隻は、満開の桜を楽しむ人々が描かれた観桜図、右隻は、満月と紅葉のもと輪踊りに興じる群衆とそれを取り巻く人々を描いた観楓図で一双を構成している。
左隻観桜図では、少なくとも六組におよぶ一行が観桜のために訪れた様を描いており、桜の下に絨緞、毛氈などが敷かれ、豪華な行楽の様相をうかがうことができる。右隻観楓図では、満月の夜の輪踊りの様相が描かれている。踊りの輪の中央には毛氈が敷かれ、そこに締め太鼓を叩く者、笛を吹く者、床几に腰かけて三味線を弾く者、鼓を打つ者などが描かれている。
本作品は、「金沢士庶遊楽図屏風」として『金沢図屏風』豊田武監修 文一総合出版(1977)に紹介されているが、金沢を描いたとするには多少無理があるように思われる。しかし、本作品は少なくとも江戸時代末期頃から金沢に伝世しており、武士や町人をともに描いた初期風俗画のひとつとして貴重である。描かれている人物や樹木の描写に見られる筆致から、江戸狩野派の画家による制作と考えられる。
以上のことから、本作品は江戸時代前期(17~18世紀)に描かれた数少ない初期風俗画の極めて貴重な作品であり、保存状態も良く、県指定有形文化財としての価値を十分に有するといえる。
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