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江戸時代
本泉寺 金沢市二俣町子-8
縦 154.7センチ 左右 344.0センチ
県指定文化財 昭和35年5月27日指定
中世末期から近世初期にかけて、西欧諸国との交通が開け、日本の港へ巨大な帆船が入港し、異国的な諸風俗がみられるようになったが、その様子を描いたものが南蛮屏風である。「南蛮」からきたというポルトガル人・スペイン人の商人や宣教師たち、船から珍奇な文物を荷揚げしている日本の港町の様子は、当時の人々の耳目を驚かす風景であったと思われる。屏風1双のうち、左隻は、巨大な南蛮船が停泊し、船上には遠い異国から運ばれてきた珍奇な財貨の積み卸しを待つ情景が描かれ、なかには船の舷に張り出した棚に寝そべる南蛮人もおり、小舟で荷を運ぶ陸上げ風景が添えられている。 右隻は、上陸した南蛮人、その中にはカピタン・モールの1行もみられ、雲形の間から見えるキリスト教会へと行列が続いている。特に画面右下に描かれた日本人婦女の群像は初期風俗の典型的な様式であり、江戸初期の作と推定される。金箔地に群青という奇抜な色調の南蛮屏風は多いが、この屏風は、切箔を散らし、全体に淡白な色調で、線描も柔らかく、土佐派の画人の作と思われる。
昭和60年「石川の文化財」より
江戸時代中期
石川県立美術館 金沢市出羽町2-1
左右 350.0センチ 縦 155.0センチ
県指定文化財 昭和43年2月26日指定
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