ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成11年度 業務報告 > 4.能登ヒバ機能性成分を利用した新商品の開発(第2報)
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予算区分 県単
研究期間 平成10~12年度
担当科名 木材加工科
担当者名 木村 保典
能登ヒバは優れた抗菌性や防虫性をもつ抽出成分を有し、その利用に関心が集まっている。本課題は枝葉を含む能登ヒバ材精油の活用を図るため、有効成分の評価ならびに生理活性機能を利用した石川ブランド製品の研究開発を工業試験場と共同で行う。今年度林業試験場としては装置の改良と収量の増加を目的とした実験を行った。
抽出に用いるヒバはカンナ(プレーナー)屑にしたカナアテを用いた。
昨年度の抽出では、ヒバ油の収量と錯体の生成が問題となっていたので、先ず抽出槽から吐出口までの系を改良した。
抽出方法はボイラーからの水蒸気のみで抽出を行う方法として、抽出時間6h、水蒸気温度105℃のスケジュールで行ない、収量の増加を目的として抽出槽内に導入する水蒸気量を増加させた。
ステンレス製の抽出槽と配管には内壁表面の電解研磨処理により合金組成中の鉄の露出を抑え、錯体の生成を抑制する試みを行ったが、減少はするものの結果は不十分であったので、系を次の材料と置き換える事とした。
抽出槽と冷却器の内部はプライマーと上塗りの2層からなるエポキシ系塗料によりコーティングを施し、それぞれを結ぶ配管は耐熱ビニール、塩ビなどの樹脂材料に置き換えた。これにより抽出されるヒバ油の性状は良好となったが、コーティング膜が脆弱なため、抽出約10回に対して1回のメインテナンスが必要なこと、コーティングによる冷却装置の性能低下が見られる等の問題があり、プラント化に際して今後の課題を呈した。
収量は上記の方法により1.5から2%の間となったが、ボイラー性能に対して冷却装置の能力が下回るため、装置の改良により抽出時間の短縮、又は収量の増加が見込まれると考えられる。
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