ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成11年度 業務報告 > 3.未利用有機物資源の堆肥化技術支援研究(第1報)
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予算区分 県単
研究期間 平成11年~12年度
担当科名 木材加工科
担当者名 鈴木 修治・千木 容
スギ丸太の製材時に膨大な量が発生する樹皮や木材小片は、産業廃棄物となり、その処分に困るケースも出現している。この様な木質系産業廃棄物は、堆肥とし地球環境に還元することが望まれているが、堆肥化するには難しい一面があり、その方法もマニュアル化されていない。
そこで本実験では、スギ樹皮に数種の窒素源となる物を添加し、その腐熟の経過を追跡(温度測定)すると共に、窒素源の配合比と腐熟の関係を解明し、効率的な堆肥化製造技術を開発することを目的とする。
堆肥化装置として市販の堆肥化プラント(13立方メートル)を用い、リングバーカーから排出されるスギ樹皮に、乾燥鶏糞600kg (目標C/N 比約30%)を添加したものを基本区とした。また、基本区に尿素20kgを添加する尿素添加区を実施した。そのほかに、堆肥化プラントメーカーが行った膨潤化したスギ樹皮の、堆肥化も併せて行った。(膨潤区:発酵鶏糞800kg)
堆肥化装置内温度の時間変化を右図に示す。
尿素添加区において初期の温度上昇が他の区と比較して起きていないことが解った。さらにその他に区と比較して、成分分析*)におけるEC値(電気伝導度)が高く、小松菜の発芽試験*)における根の伸長が、やや劣った値を示すことが解った。これは、水分添加の方法が手動であったために、基本区および膨潤区に比べ水分過剰となり、微生物の呼吸を妨げた結果、腐熟が不十分であった為に引き起こされたのではないかと考えられる。これは、50日目頃からの温度上昇からも推察できる。
つぎに、基本区においての発芽試験データを見る限り、発芽阻害および根の伸長障害を起こしていないので、現時点のデータからは、膨潤処理を行う必要はないと考えられる。
*)石川県農業総合研究センターにて実施
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