ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成11年度 業務報告 > 2.菌根性きのこと樹木の共生に関する試験(第2報)
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予算区分 県単
研究期間 平成10~14年度
担当科名 生物資源科
担当者名 三浦 進・能勢 育夫
菌根性きのこの増産技術において、人為的に菌根を形成させる際の接種源として、子実体と培養菌糸体が用いられてきた。培養菌糸体の接種は季節や菌体量の制約を受けない利点が有るが、継代培養による栄養代謝や生殖生理の変化が子実体形成能力の低下を招いている可能性が指摘されており、腐生性きのこの種菌においても同様の現象が報告されている。そこで継代培養が菌根菌の菌根形成や栄養代謝に与える影響を明らかにし、きのこの増産技術の向上を図る。
子実体より菌糸を分離し、継代培養を繰り返し、菌そうの形態変化や菌根形成能力の変化を調査した。
7月6日に加賀市片野より採取したアミタケ子実体(SB9907)から浜田培地で菌糸を分離し、麦芽エキス培地により4回継代培養を行った。培養は22℃暗所で行い、継代間隔は2ヶ月とした。なお継代1回目において、菌糸体の一部を分割し流動パラフィン法により保存した。
麦芽エキス培地にMS培地を10%添加し平板寒天培地を作製し、アカマツ種子と培養菌糸を22℃で共存培養し、菌根の形成率を求めた。
SB9907を4回継代培養したが、50反復の全てで菌そうの形態変化や伸長速度の変化は認められなかった。また全ての反復で菌根が形成された。従って4回の継代培養による菌根合成能力の変化は認められなかった。
継代回数を更に増やしたり、冷蔵保存を行った時の影響を明らかにし、培養菌糸の接種源としての安全性を、継代履歴から評価していく必要がある。
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