ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成11年度 業務報告 > 3.有用腐生性きのこ栽培技術の開発(第5報)
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予算区分 県単
研究期間 平成7~11年度
担当科名 生物資源科
担当者名 能勢 育夫
本県で食用にされている野生キノコの中には腐生性のキノコが多くある。これらのキノコの培養、発生特性を調査し、栽培技術の開発を図る。
本年度はナメコの廃菌床を利用して白山麓地域で食用にされているムキタケの栽培を行った。
培地は、栄養剤としてコメヌカ、フスマ及びこれらを等量混合したものをそれぞれナメコ廃菌床容積に対して1/10添加した培地と栄養剤を全く添加しない廃菌床だけの培地の4種類とし、これらの培地を用いてムキタケの栽培方法について検討した。
各培地とも、培養30日で培地表面全体に菌が蔓延するが、培地内部への菌の伸びは60~70%であり、培養60日では培地内部にも十分菌が蔓延した。
培養60日後に湿度を90%、温度を12~13℃で管理すると、30日前後で発芽が見られ、生育にはさらに20日程度要した。発生方法としては、袋全体をカットした方法では全体的に発芽するためきのこが小型になるが、上面のみカットした方法では傘の径3cm以上のきのこが多く発生し品質が向上し適していた。培地についてみると、コメヌカを添加した培地では発生個数は少ないが、傘の径3cm以上のきのこが多く発生し、発生量も最も多く適していた。また栄養剤を全く添加しない培地でもかなりの発生量があり、利用が可能であった。フスマを添加した培地では、他の培地に比べ発芽数が多く、生育途中で腐敗するものも多く見られ、培地としては不適であった。
ムキタケは、ナメコの廃菌床を利用して菌床栽培が可能であることがわかり、資源の有効利用を図りながら、白山麓地域の特産化が可能であると思われる。しかし、実用化に当たっては、栽培に適した品種の選抜や栽培期間の短縮によるコストダウンが課題であり、さらには新たな料理加工法の開発によるムキタケの需要拡大が望まれる。
表 培地1kg当たりの平均発生量(略)
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