ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成11年度 業務報告 > 8.水源林の育成技術と機能調査に関する研究(第1報)
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予算区分 県単
研究期間 平成11~14年度
担当科名 森林育成科
担当者名 小谷 二郎・矢田 豊
天然生ブナ林の持つ環境保全機能を解明するため、尾口村鴇ヶ谷のブナ林をモデルとして生態的特性を明らかにするとともに、土壌保全等の公益的機能の評価方法を検討する。
約1haの固定試験地を設定し、試験地内の立木の毎木調査と成立位置を調べた。また、鴇ヶ谷の他2地域(尾口村尾添、白峰村別当出合)にリタートラップを設置し、雄花や種子の落下状況を調査した。
水源林の機能維持に重要な役割を果たす、樹木の“健全性”評価のための観測として、開葉および落葉期の画像自動観測、および水源涵養機能の維持に重要な落葉の動態に関する画像自動観測として、本年度は落葉期のリター供給過程の観測を行った。
胸高直径4cm以上の全木について毎木調査したところ、上層・中層・下層ともブナの優占度および出現頻度が高かった。その他には、カエデ類やアズキナシなどの樹種の出現頻度が高かった。また、トラップにより充実種子の落下状況を調査したところ、別当出合で162.2個/平方メートル、尾添で27.4個/平方メートル、鴇ヶ谷で8.0個/平方メートルで並作の下であった。
1)開葉・落葉期の画像自動観測:今回の手法で効果的な解析が可能なことが確認できたので、引き続き観測を継続する。開葉・落葉経過と気象条件等との関係を解析することにより、樹木の健全度評価等の指標とすることができる。今後その他の観測情報と合わせ、樹木健全度評価法を構築してゆく。2)落葉の動態に関する画像自動観測:観測は成功したが効率的な解析手法等の開発が今後の課題である。落葉の分解・移動等の条件についての情報を得ることにより、水源涵養機能維持に必要な森林施業法に関する知見を得ることができる。
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