ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成11年度 業務報告 > 7.長伐期施業に対応する森林管理技術の開発に関する調査(第1報)
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予算区分 国補
研究期間 平成11~14年度
担当科名 森林育成科
担当者名 小谷 二郎・千木 容
木材価格の低迷や森林の環境保全機能の向上などから人工林の伐期が延長化されることが考えられる。そこで,今後の長伐期化に対応した林分収穫表や育林体系を整えるため,長伐期に適した環境条件の抽出と保育管理方法を検討する。
スギ高齢林の立地環境特性を調査するとともに,高齢林の林分構造および成長経過を調べる。
県内20箇所で80~150年生のスギ人工林の成林立地条件を踏査した。その結果,ほとんどの林分が谷筋の土壌が肥沃な条件に成立していた。本県は,平成3年に能登地域を対象に台風19号により大被害を受けたが,その際に南を中心とする尾根筋で被害が甚大であった。上記のことと併せて考えると,長伐期に適する立地条件として暴風の受けやすい尾根筋は避けて,谷筋を中心とした地域が好ましいと考えられた。
能登地方で3本と加賀地方で2本について高齢木を伐倒し成長経過を調べたところ,両地域とも初期成長の早いタイプと初期成長は遅いが持続的な成長をしているタイプとに分けられた。また,間伐が数回でも行われている林分は一斉林型を呈したが,ほとんど行っていない林分は小直径階に偏る構造を示していた。
全般に,枝打ちを行っていない林分は形質が悪い傾向があった。
長伐期には肥沃な谷筋地形が望ましいことが示唆されたが,それ以外の場所における今後の人工林の取り扱いも検討する必要があると思われる。
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