2.次代検定林調査

予算区分      国補
研究期間      主伐まで
担当科名      育種科
担当者名      八神徳彦・片岡久雄・森  吉昭・ 矢田  豊

I.目的

  林木育種事業により選抜、植栽された「精英樹ならびに気象害抵抗性」の系統について、定期的に成長経過、被害状況等を調査し、遺伝的特性を検定する。

II.調査内容

1.材質調査

  昭和44年度に設定した門前県有林におけるスギ精英樹の次代検定林で10クローン85本を伐採し材質等の標本調査を実施した。調査項目は、ヤング率、年輪幅、心材率、心材色、含水率、容積密度、幹の形状等である。

2.成長調査

  昭和44年度に設定した門前県有林、及び石動山県有林におけるスギ精英樹の次代検定林で、それぞれ10クローン（内対照2）について3ブロック20本（約600本）の標本調査を実施した。調査項目は、樹高、胸高直径、幹曲り、根曲りである。

III.調査結果

1.材質調査

  計測値は林木育種センター関西育種場に送付し、データの集積後分析される。

2.成長調査

  調査結果の内樹高と根曲がりについて図示する。初期成長の早い河合谷スギ程度の樹高成長をするものは、小松12号、6号、羽咋1号、鳳至2号などで、胸高直径ではこれに珠洲2号が加わる。根および幹曲りは鳳至2号、小松6号が少なく良好であった。

IV.考察および今後の課題

  検定林内における立地のばらつきが大きく、各精英樹の特性が反映されにくいが、さらにデータを集積し、解析結果より採種・穂園を改良し優良な種苗を生産していく。