ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成12年度 業務報告 > 5.未利用資源のきのこ培地基材への利用に関する試験(第1報)
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予算区分 県単
研究期間 平成12~14年度
担当科名 生物資源科
担当者名 能勢育夫
未利用の林地残材や廃材等を利用してのきのこ栽培の可能性を調査するとともに、栽培後の廃菌床のきのこ栽培への再利用についても検討し、資源の有効利用を図っていく。本年度はシイタケ廃ほだ木及びマツクイムシ被害材を利用したマイタケ栽培の可能性について検討した。
使用した廃ほだ木は、平均径14.5cm、平均長14.1cmのものと平均径8.4cm、平均長12.0cmのものの大小2種類とした。また発生量の比較をするためコナラ原木も使用し、その大きさは、平均径14.9cm、平均長15.6cmである。処理本数は、廃ほだ木の大とコナラ原木がそれぞれ20本、廃ほだ木の小が56本である。培養は木口面に栄養剤(コメヌカ)を2割添加した広葉樹オガ粉を1cm程度塗り、pp栽培袋に入れて滅菌(120℃、60分間)し、冷却後マイタケ菌を20cc程度接種して25℃で3ヶ月間行った。使用した菌は、市販のM菌及び当場で分離培養したGF-7である。培養後袋を取り除き土中に埋設した。廃ほだ木の大とコナラ原木は単木で埋設したが、廃ほだ木の小は4本、2本、単木でそれぞれ埋設した。きのこの発生は初年度で少なかったが、廃ほだ木の大の2本、廃ほだ木の小の5本、コナラ原木の5本から発生が見られ、それぞれの平均発生量は、117g、38g、192gであった。
マツクイムシで枯れたマツ材をオガ粉にして使用した。培養基はマツオガ粉100%のもの、コナラのオガ粉を50%混合したもの及び発生量の比較を行うためにコナラのオガ粉100%のものの3種類とし、処理数はそれぞれ20個、20個、15個とした。培養は、それぞれのオガ粉に栄養剤(フスマ7:コ-ンブラン3)を2割添加して2kgのpp栽培袋に詰めて滅菌(120℃、50分間)し、冷却後マイタケ菌を20cc程度接種して25℃で約50日間行った。使用した菌はGF-7である。培養後袋を取り除き、地中に埋設した。きのこの発生は、マツオガ粉菌床1個、マツ・コナラ混合菌床2個、コナラ菌床1個から見られ、平均発生量はそれぞれ160g、206g、200gであった。
次年度以降発生量について調査し、廃ほだ木及びマツクイムシ被害材の利用の可能性について検討する。
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