ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成12年度 業務報告 > 6.アテ集団枯損被害対策の研究(第1報)
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予算区分 県単
研究期間 平成12~14年度
担当科名 森林育成科
担当者名 矢田 豊・三浦 進・八神徳彦
平成11年、穴水町アテ人工林において約30年生のアテが集団枯死する被害が発見されたため、枯死の直接原因を特定し、被害防止策を検討、適切な施策実施への判断材料を提供することを目的として、本研究を実施する。また以前よりアテ林業において問題化しており、今回の枯損被害にも関係が深いと考えられる漏脂病に関しても、その対策を究明する。
漏脂病関連菌以外の、特定の病原菌等は検出されなかった。また、漏脂病が直接の枯死原因であるとする明確な根拠も得られなかった。平成12年夏季は高温小雨により乾燥ストレスがかかったにもかかわらず、著しい被害拡大は認められなかった。
今年度、およびこれまでの試験結果より、菌・環境・樹木生理の要因が関与した複合的病害である可能性が高いと考えられた。
被害発生環境について、穴水町南部での集中的被害実態調査と既往の被害実態調査の再検討の結果から、標高で被害の多少がほぼ区分できる地域と、それ以外の不明要因で区分される地域があることが判明した。また、多くの地域で、林分の成長に伴い被害は“治癒”している可能性が高いことが示唆された。
今後、枯死被害の原因究明のための調査を引き続き継続するほか、枯死被害の拡大状況把握、漏脂病の被害経過の予測と間伐対象木選定のための、衰弱木判別手法・基準の確立、抵抗性個体選抜の可能性検討等を実施してゆく。
三重大学、森林総合研究所、東京農業大学他
1)アテ(ヒノキアスナロ)漏脂病の発生環境(予報),第49回日本林学会中部支部大会(口頭発表,2000)
2)ヒノキアスナロ・ヒノキ漏脂病の発生環境 ―地域・標高区分を中心とした解析から―,第112回日本林学会大会(口頭発表,2001)
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