ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成12年度 業務報告 > 2.新石川きのこブランド確立対策事業(第3報)
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予算区分 県単
研究期間 平成10~13年度
担当科名 生物資源科
担当者名 能勢 育夫・三浦 進
本県で開発中のシイタケ菌床栽培用品種の実用化を進め、石川きのこブランドを確立することにより、本県のきのこ産業の振興に寄与する。
本年度は開発中のシイタケ菌床栽培用品種(LE33)の実用化のため、栽培農家の施設及び当場の空調栽培施設で実証栽培試験を行った。
使用した培地は、昨年度までの調査で得られた栽培特性において最適であった広葉樹オガ粉に対してコメヌカとフスマの混合栄養剤を2割添加したものとした。菌床の大きさは、1.5kgとし、培養は当場の培養室で行った。その結果は表に示すとおりである。
第1回目の発生処理後の発芽状況は、栽培農家の施設及び当場の空調施設においても比較的良好であったが、全発生量のうち栽培農家の施設では79%、当場の空調施設では57%が1回目に集中発生し、特に発生室の温度変化の大きい栽培農家の施設ではその傾向が大きく見られた。その結果、2回目以降の発生が少なくなり、菌床1個当たりの全発生量は、栽培農家の施設で352g(菌床重量の23.5%)、当場の空調施設で433g(菌床重量の28.9%)と少なく、またきのこの重なりによる変形や小形化の傾向も見られた。
集中発生傾向や発生量の減少は、昨年度までの栽培特性から判断すると、菌糸の過熟が影響していると考えられ、本年度の菌床の培養において、夏場の2ヶ月間、培養室の温度が29℃の高温となり、菌糸の回復を図るため通常の培養期間を1ヶ月延長し、培養期間を6ヶ月としたが、このことが逆に菌糸の過熟を促す結果となったためと思われる。
今年度の実証栽培結果からみて、実用化に当たっては、集中発生を抑制し安定した発生量を得るための培養管理(菌糸の熟成度の判定)、発生管理(発生前の高温処理、水分管理)をさらに検討する必要がある。
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