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条件付特定外来生物(令和5年6月1日指定)
- 水草やゲンゴロウの大敵 -
甲殻類
アメリカザリガニ科
Procambarus clarkii
体長8センチメートル程度。胸脚のうち、1対は大きいハサミになっています。雄のハサミは特に大きくなります。体色は淡褐色から鮮赤色です。
繁殖期は夏で、交尾を終えたメスは直径2ミリメートルほどの卵を数百個産卵し、腹脚に抱えて保護します。孵化した子どもは体長4ミリメートルほどで、孵化後もしばらくはメスの腹脚につかまって過ごし、体長8ミリメートルほどになると親から離れます。
北米南東部
日本には、1927年にウシガエルのエサとして持ち込まれました。その後ペットや食用として飼われていた個体の逃亡などによって、全国各地に分布を拡大しました。
石川県内では、1936年に初めて本種の存在が確認され、その後県内のため池や水路などいたるところに分布が拡大しています。
本種の存在により、水生小動物への直接的加害、水草の食害、それによる他の生物への間接的加害が問題となっています。また、水田の畦に穴を開けたり、イネを食べたりすることが問題になっています。
本種もオオクチバスと同様に、県指定希少野生動植物種であるシャープゲンゴロウモドキをはじめとする在来の水生生物に対して悪影響を及ぼしているとみられます。
金沢市夕日寺町の夕日寺健民自然園にある「トンボサンクチュアリ」では、トンボなど水生生物の保護のため2001年にブラックバスを駆除しました。すると、2002年にアメリカザリガニが大発生し、50種以上も確認されたトンボや水草が激減してしまいました。来園者の協力も得てこれまでに1万匹以上ものアメリカザリガニを駆除していますが、大きな効果は上がっておらず、本種の繁殖力の強さがうかがえます。
夕日寺健民自然園では、来園者の協力を得て継続的な駆除が行われています。
令和5年6月1日から、外来生物法によりアメリカザリガニが条件付特定外来生物に指定されました。条件付特定外来生物は飼育や譲り渡しといった行為は禁止されませんが、野外への放出、販売、購入および頒布といった行為は禁止されます。
特に、県内には希少種が多く生息するため池や水路が数多く残っており、このような水域への本種の持ち込みは、水域の生物多様性を大きく減少させることにつながります。本種は身近な存在であり、ペットとしても人気が高い生き物ですが、飼育しきれないからといって、その個体を野外に放す行為は法律で禁止されていることにご留意ください。
どうしても飼育が困難である場合や、野外で本種を拾われたりした場合は、環境省が設置するアメリカザリガニ・アカミミガメ相談ダイヤル(TEL 0570-013-110)へご連絡ください。
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