ホーム > 観光・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 文化財 > 石川の文化財 > 史跡・名勝・天然記念物(県指定) > 五十里ののとキリシマツツジ
ここから本文です。
鳳珠郡能登町字五十里ム部172番乙1
県指定天然記念物 平成20年4月30日指定
「のとキリシマツツジ」は、江戸時代に能登へ伝えられたキリシマツツジが厳しい風土の中で独自の変異を遂げ、花の大きさや形状などで異なる特徴をもつに至ったものと考えられている。5月中旬頃には赤色や紫色の鮮やかな花が、能登地方の初夏に彩りを添える。
「のとキリシマツツジ」を初めとするキリシマツツジでは、紫色の花を咲かせるものは全国的にみても個体数がきわめて限られ貴重である。また、その花の色や樹高が低く枝が横に開く樹形などから、南九州の山頂付近などに自生するミヤマキリシマの形質を色濃く受け継ぐと考えられている。鳳珠郡能登町五十里の酒井家の庭先を飾る「のとキリシマツツジ」は、紫色のものでは最大であり、樹高約1.3メートル、枝張り約2.4メートル、幹周75センチメートルを測る。さらに樹齢は250年と推定され、紫色のものでは最も古く位置付けられる。かつてこの花が満開になると集落の人々が田植えの準備に取りかかったと伝えられており、長い間、地域の暮らしの中で親しまれてきた木でもある。
DNA分析の結果、能登各地にある紫色の「のとキリシマツツジ」は遺伝的に同じであることが明らかとなり、酒井家のものから挿し木や株分けなどにより能登各地へ広がった可能性が指摘されている。その点においても酒井家のものは紫色の「のとキリシマツツジ」を象徴する存在といえる。 「五十里ののとキリシマツツジ」は、歴代の所有者が長い年月をかけて大切に守り育ててきた、能登地方を代表する名木であり、文化財的価値は高く、天然記念物に指定し、その保護を図ることが必要である。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
同じ分類から探す