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白山市白峰地内
県指定天然記念物 平成13年12月25日指定
白峰百万貫の岩は、白山市白峰集落の上流約6kmの手取川(牛首川)河床に所在する巨大岩塊であり、昭和9年(1934)7月に起きた手取川大洪水の際に、上流の宮谷川より土石流として流出したものといわれている。
岩塊は、白峰一帯に広く分布する中生代ジュラ紀後期~白亜紀前期の手取層群に属し、岩相は、灰褐色中粒砂岩と拳大の珪質岩礫を含む粗粒砂岩とよりなる。その大きさは19.175m×16.160m、体積は1,890立方メートル、重量は4,839t(約129万貫)と算定され、流出岩塊としては、日本最大級の規模となる。
白山地域は、急峻な地形に加え、冬期の多量の積雪やその融水など、地滑りや土石流の発生しやすい自然条件を有しており、昭和9年の手取川大洪水では、梅雨前線による記録的豪雨と残雪に伴う融水により、死者・行方不明者109名、流出家屋240戸、床上浸水5,003戸という石川県洪水災害史上最大級の大水害となった。その際の大出水は、宮谷川上流の巨大岩塊を手取川に押し流し、土石流の終着地に百万貫の岩を誕生させた。今も見るものを圧倒するその姿は、当時の土石流の凄まじさを物語っている。
以上のように、白峰百万貫の岩は、未曾有の大惨事を後世に伝える水害記念として、また、水害の規模を如実に示す資料としても極めて貴重であり、よって、保存する価値を有すると認め、天然記念物に指定する。
七尾市中島町塩津イ部64番地
指定面積 12,320平方メートル
県指定天然記念物 平成14年8月27日指定
唐島神社社叢タブ林は、七尾市中島町塩津の七尾西湾に突出した唐島に位置し、林分は、常緑広葉樹のイノデ-タブノキ群集に属する。
唐島は、長さ約300m、幅約70m、標高0~10mの緩やかな笠状を呈する陸繋島で、島内には唐島神社があり、古くから社叢として植物採取が禁じられてきたものである。
植生は、高木層にタブノキ、亜高木層にヤブツバキが優占する。低木層には特に目立つ優占種はみられないが、実生のタブノキ、ヤブツバキの生育は森林維持を裏付ける重要な意義をもつ。また、草本層にはヤブランが優占し、ここの群落を特徴づける標徴種としてカラタチバナが分布する。
県内の自然植生を残す常緑広葉樹林は、社叢林などに限られきわめて少なく、主体をタブノキとするものは、比較的標高の低い海岸に近い斜面や土壌の発達した水分の多い沖積地に分布している。
そうした中、海岸に接した唐島神社社叢は、タブノキ、ヤブツバキを優占種とし、他の常緑広葉樹林に一般的なスダジイを含まない暖地海岸性常緑広葉樹林として、県内では他に類をみない。また、暖地性植物であるカラタチバナの北限に近い自生地となっている。
こうした稀少な植物群落は、学術的価値はもちろんのこと、県民共有の財産として貴重であり、よって、保存する価値を有すると認め、天然記念物に指定する。
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