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輪島市三井町興徳寺27部37番
県指定天然記念物 平成17年8月16日指定
シダレザクラは、バラ科サクラ属でエドヒガンの変種である。本州・九州から朝鮮半島にかけての温帯から暖帯に分布する落葉高木で、イトザクラともいわれる。枝が垂れる性質の遺伝子をもつと、細い枝が自重によって長く垂れ下がる。葉に先立って小振りの淡紅色の花が下向きに咲く。観賞用に神社や寺院の境内、庭園に植えられる。
輪島市三井町の佛照寺本殿に登る参道脇に立つ「佛照寺のシダレザクラ」は、樹高9.2m、幹周2.88mで、県内で最大級のシダレザクラである。また、樹形は優れており、流れ落ちるように咲く花の美しさは、目をみはるものがある。樹齢については約300年と推定される。
このシダレザクラは、県内で最大級のシダレザクラであり、他に類例をみないことから、文化財的価値は高いため、天然記念物に指定し、その保護を図ることが必要である。
珠洲市若山町南山テの部40番地ほか
県指定天然記念物 平成18年4月7日指定
アテは、ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種であるヒノキアスナロの北陸地方における地方名である。北海道南部から能登半島の日本海側を天然分布域とし、能登半島は国内分布の南限となる。
能登地方のアテの由来については、在来説と、奥州からの移入説がある。 在来説は、昭和47年以降、宝立山北部の4カ所の急傾斜地において、伏条更新と実生による天然林と考えられるアテ分布地が確認されたことを、有力な根拠とする。
珠洲市南山地内の天然林は、樹高13~14m、幹周100~125cmを測るアテが確認できる。
珠洲市洲巻地内の天然林は、洲巻集落の「水守り山」として、大切に 守られてきたものであり、樹高20m、幹周236cmを測るアテを最大に、 約25本が確認できる。
輪島市寺山地内の2カ所の天然林は、通称「猿淵」と呼ばれる鈴屋川両岸にあり、幹周約250cmを測るアテを最大に、約32本が確認できる。
これらの天然林のアテは、能登地方で植林されている品種とは、葉形、樹幹などの特徴において異なるものが多く、品種改良以前のアテの様相を示すものとして、植物学的に貴重である。
「宝立山アテ天然林」は、アテの天然分布の南限であり、植物学的に貴重であることから、文化財的価値は高く、天然記念物に指定し、その保護を 図ることが必要である。
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