レジオネラ症について
レジオネラ症は、レジオネラ属菌が原因で起こる感染症です。
幼児や高齢者、他の病気などにより抵抗力が低下している人は感染しやすいので注意が必要です。
人から人への感染事例は報告されていません。適切な予防策で、レジオネラ症の発生を防止しましょう。
症状
レジオネラ症の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、2~10日です。
レジオネラ症の主な病型としては、重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱が知られています。
- レジオネラ肺炎:肺炎を主徴とします。全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難がみられます。意識レベルの低下などの中枢神経系の症状や、下痢がみられることもあります。適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。
- ポンティアック熱:発熱を主症状とします。突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、一過性のもので、自然に治癒します。
感染経路について
レジオネラ症は、主にレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)を吸入することによって感染します。
レジオネラ属菌はヒトからヒトへ感染することはありません。
- レジオネラ属菌に汚染された冷却塔水、加湿器、循環式浴槽水のエアロゾルを吸入することによって感染します。
- 温泉浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥することによって感染します。
- レジオネラ属菌に汚染された腐葉土の粉じんを吸入することによって感染します。
予防のために
- 家庭用加湿器のタンクの水は、毎日完全に水を入れ替えてタンク内を清掃しましょう。
- 循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂など)を備えている場合は、浴槽内に汚れやぬめりが生じないよ、取扱説明書に従って、定期的に洗浄しましょう。
土ぼこり等の粉じん対策について
- レジオネラ属菌は自然界に常在する細菌で、土壌の中にも存在しており、毎年、庭仕事や農作業中に土ぼこりを吸い込んだことによってレジオネラ症を発症したと疑われる事例が全国的に報告されています。
- 大きな災害の後では、災害ゴミの片づけや、床上・床下浸水した建物の清掃消毒作業、倒壊した建物の撤去作業など、土ぼこり等を吸い込む危険性が高まります。作業をされる際には、マスクやタオルで鼻と口を覆い、土ぼこり等を吸い込まないようにしましょう。
医療機関のみなさまへ
レジオネラ症は感染症法に基づく4類感染症に規定されており、診断した場合は、直ちに最寄りの保健所へ届け出が必要です。
レジオネラ症の発生状況