―上海駐在員便り 2021年12月―

寧波ジャパンブランド及び江蘇省公務員交流会議

■寧波ジャパンブランド

10月16日～17 日にかけて、寧波阪急百貨店にて「寧波ジャパンブランド」が開催されました。ジャパンブランドはJTBが主催し、日本の文化や商品のPR及び各地の特産品を販売するインベントで、石川県を含む約20の自治体事務所や企業が出展しました。

なお、寧波市は浙江省沿岸部の港湾都市であり、人口約850万人の比較的富裕層が多い地域です。この地で、「新富裕層」などをターゲットとして、今年4月に阪急百貨店の巨大店舗が新たに開業しました。高級ブランドや日系の食品、衣料品など約380店が入居しており、4階には開放感のある吹き抜けのイベントスペースも備えております。

そのイベントスペースにてジャパンブランドが開催され、当日は2日間合計で約69,000人の来場者があり、大変賑わいました。今回初出展となった石川県ブースでは、県産の酒類を取扱う現地代理店と連携し、日本酒や梅酒を販売するとともに県全体の観光PRを実施しました。その結果、用意した梅酒が1日目ですべて売り切れて急遽上海から補充するなど、予想以上の売れ行きとなりました。

今回売れた主な要因は3点あったと考えております。1点目は、近年、華東地域等において若い女性を中心に梅酒等の果実酒が人気であり、商品が顧客の嗜好にマッチしたことです。もちろん、イベントの種類や顧客層にもよりますが、日本酒より果実酒の方が売れることは最近よくあります。ただし、似たような果実酒はすでに多くなってきていますので、差別化が必要です。そこで2点目は、その商品の売り込みポイントを分かりやすく提示することです。これは、中国人が自慢したくなるようなエピソード、例えば、当該商品の受賞歴やランキングで一位になったこと、権威あるパーティで使用されたこと等をポップなどで分かりやすく提示するとともに一言で伝えられるようにすることです。しかし、顧客が来て実際に体感してもらわないことには始まりません。よって、3点目にもなりますが、B to Cのオフラインイベントで購買に直結するのは、結局のところ、汗をかいて客を呼び込み、実際に試飲してもらうことではないでしょうか。

■江蘇省公務員交流会議

寧波ジャパンブランドの翌日、10月18日に江蘇省蘇州市において、「江蘇・日本友好都市公務員交流会議」が開催されました。当会議は、2年に1度、江蘇省と友好交流関係にある石川県、愛知県、大阪府、鹿児島県、福岡県が一堂に会し、これまで実施してきた交流の歴史や事業を相互に紹介するとともに、これからの方向性等について意見交換を行いつつ友好関係を深めるものです。通常ですと日本からも来訪するのですが、現在はコロナの影響で日中間の往来が困難な状況のなかで、各自治体の上海事務所が主体となって参加するかたちで開催されました。会議においては、「ポストコロナ時代における日中地方交流の挑戦と新たな道筋」というテーマで、中国側は江蘇省政府の外事弁公室や商務庁、文化旅行庁などの各機関及び南京市や徐州市などの市政府、日本側は上海総領事館や各自治体、ジェトロ上海が発言し、意見交換を行いました。総じて、中国側はポストコロナにおいても姉妹都市を広げていくような意欲的な姿勢が見られ、また日中双方の見解として、コロナ禍においても安心・安全に配慮しつつもオンラインを活用するなど交流を継続することの重要性を訴える声が多かったように感じました。なお、石川県においては、ちょうど当会議の前日、オンラインを活用した青少年交流事業が実施され、日中双方の高校生が文化体験等を通じて交流を行ったところです。

また、当会議に先立ち、同日の午前中には「日中地方合作フォーラム」が同時開催され、江蘇省だけではなく、長江デルタ地域の上海市、浙江省、安徽省等の各政府関係者及びその友好交流地域を中心とした日本の16の自治体事務所が参加し、より広域的な交流・協力関係を相互に確認し合う良い機会となりました。

（写真1：寧波ジャパンブランド）

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