ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成09年度 業務報告 > 1. 木材及び木質材料の性能向上技術の確立に関する研究(第4報) 突き板の製造条件
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予算区分 県単
研究機関 平成6~9年度
担当科名 木材加工科
担当者名 木村 保典
スギ板材を熱圧成形する際に、材料の部位、熱圧成型時の条件などによって仕上がり状態は大きく変わる。目標とする製品は床板などの内装材であり、安全性や触感上平滑なことが求められる。このため生産を目標とした時に、部位による差異を均一化する事が必要である。また、各行程は短時間なほど生産性は向上するので、熱圧縮処理を最も短い時間で行える条件を検討した。
試験片は気乾状態で 300/40/3(mm) と 300/100/3(mm) ならびに 300/100/4(mm) の板状に調整した。前回までの報告では辺材に限り処理を行ったが、辺材、心材、節など、部位による仕上がりの差異を確認するために部位を限らず、各部位が混在した試験片についても検討した。
熱板温度 170 、180 ℃の 2 条件で、処理時間は 3、5、10、30 分、の 4 条件で行い、熱圧時に材内部に蓄積された水蒸気の解放を目的に、約 20 秒間一旦解圧して再び同時間の処理を行うスケジュールをを3、5、10 分のそれぞれについて行った。厚さ3ミリの試験片は熱圧成形後の目標厚さが 1 mm厚さ 4 mmの試験片は目標厚さが 2 mmの目標厚さとした。厚さの制御は、ステンレス製のフラットバーを用い、熱板上にそれぞれの目標厚さのバーを置いて行った。
熱圧縮処理の最適な条件は、熱板温度 180 ℃、スケジュールは 5 分熱圧→解圧→ 5 分熱圧で行う条件で最も仕上がりが良好であった。
上記のスケジュールで各部位の差異は、心材、辺材の区別無く良好な仕上がりであった。節の周辺においては、樹脂の浸出、節と幹の境界から繊維方向への割れが発生するものが見られた。
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