ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成09年度 業務報告 > 1.シイタケ菌床栽培実証試験(第5報)
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予算区分 県単
研究期間 平成5~9年度
担当科名 生物資源科
担当者名 能勢 育夫・三浦 進
これまでに収集した菌株の菌床栽培への適応性について調査するとともに培養、発生操作等個々の栽培技術についても検討する。
本年度は当林試で育成した菌株LE38、39、40、49、58について発生量を調査した。菌床に使用したオガ粉はコナラを主体とした広葉樹で、1菌床の大きさは2.0kgとした。また、栄養剤はフスマ、コメヌカを等量混合したものを使用し、その添加量はオガ粉10に対して2とした。培養は22℃前後で4月から8月までの約5ヶ月間行った。発生は培養後菌床の底2cm程度残して袋を除去し、施設内の温度を15度前後に維持し、散水方式で行った。また発生量の調査期間は9月から3月までとした。処理数はLE38、39、58が15個、LE40、49が13個である。
今回調査した菌株の中では、LE39の発生量が最も多く、1菌床当たりの発生量は最も多いもので1,170gであったが、菌床によって発生量の差が多く、平均発生量は469gであった。他の菌株では1菌床当たりの平均発生量は少なく、LE38では93g、LE40では52g、LE49では226g、LE58では148gであった。特に発生量が少なかったLE38、LE40では発生操作後初発生までに数ヶ月かかった。また、最も発生量が多かったLE39の規格別発生量を見ると、L寸が11%、M寸が34%、S寸が55%で、半数以上がS寸であった。
以上の結果より、LE39はその取り扱いをさらに検討することにより、菌床栽培への利用が可能と思われるが、その他の菌株については菌床栽培には不適と思われる。
これまで、当林試で育成したいくつかの菌株の菌床栽培への適性について調査してきたが、その結果、菌株LE33が最も発生量が多く、品質的にも比較的良質で、菌床栽培に適していると思われる。しかし、その取り扱いによっては発生量に大きな差が生じるため、この菌株の特性をさらに調査し、栽培マニュアルを作成して実用化を図っていきたいと考えている。
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