ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成09年度 業務報告 > 5.ホンシメジ栽培技術の開発(第1報)
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予算区分 県単
研究期間 平成9~13年度
担当科名 生物資源科
担当者名 宗田 典大・能勢 育夫
ホンシメジは、アカマツ林やアカマツ・コナラ混交林の地中にシロ(菌糸層)をつくリ、10月中~下旬群がって大きな円弧をえがいて発生する。かつてはマツタケの主産地などで大量に採れ、市場にも出回っていた。しかしマツタケ同様、森林環境の悪化から、ホンシメジの発生は減少している。
本研究は(1)アカマツ林内の環境を整備し、ホンシメジの発生に適した環境に改善(2)ホンシメジ菌床培養法および培養菌床の林地接種法を確立(3)ホンシメジ発生環境の維持、管理について研究を行う。
能登島地内に設定したホンシメジ栽培試験林(面積20a)は調査の結果、42年生アカマツ林で立木密度が3200本/ha、土壌型はBC~BD型であった。
環境整備は試験林内に5カ所設定したプロットを中心に行い、アカマツ枯死木の除伐、雑木の密度調整した。特に土壌条件の改善ではA0層を取り除き、さらに除草も行った。
菌床は能登島試験地土壌と赤玉土、鹿沼土、パーライトなどの園芸用土を基材とし、栄養源に基材に対する重量比で10%のコムギまたはフスマを混合し、直径10cm×15cmのガラス円筒に約200ccを分注、水道水を適量添加し、アルミ箔で封じたものを60分間滅菌して使用した。接種源は平成9年度に能登島に発生した子実体より分離した3株のうち1株(SMJ961)を浜田培地で3週間液体培養し供試した。菌床は70日から120日間、温度約23℃で培養した。
能登島試験地への林地接種は9月、12月、翌年3月の3回で合計60カ所行った。また林業試験場内のアカマツ林でも林内環境整備を行い菌床の接種を行った。また菌床の活着について任意の2~3カ所を定期的に抜き取り調査した。
平成10年3月の調査では、能登島試験地土壌、赤玉土、鹿沼土にコムギを添加した区では、高密度で菌糸が依然蔓延しており菌床の維持が確認された。しかし、能登島試験地土壌、赤玉土、鹿沼土、パーライトにフスマを添加した区では、菌床内部の菌糸の密度は薄くかった。また一部の菌床では雑菌に侵されている場合や消滅した箇所も観察された。
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