ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成10年度 業務報告 > 5.能登ヒバ機能性成分を利用した新商品の開発
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予算区分 県単
研究期間 平成10~12年度
担当科名 木材加工科
担当者名 木村 保典
能登ヒバは優れた抗菌性や防虫性をもつ抽出成分をもち、その利用に関心が集まっている。本課題は枝葉を含む能登ヒバ材精油の活用を図るため、有効成分の評価ならびに生理活性機能を利用した石川ブランド製品の研究開発を工業試験場と共同で行う。今年度林業試験場としては収量、抽出時間など最適な条件を検討した。
抽出に用いるヒバはノコ屑、カンナ屑の2種類のエレメント形状とした。抽出装置は電熱ボイラーより発生する水蒸気を抽出漕に導入し、エレメントを蒸留した抽出成分を含む水蒸気は冷却装置を通り、水抽出物にヒバ油が浮いて分離した状態の液体となって抽出される。今回蒸留の方法として抽出漕に予め水を張り、水蒸気で沸騰させた後エレメントを導入する方法と、ボイラーからの水蒸気のみで抽出を行う2通りの方法を行った。
エレメントの差異、抽出方法に依らず収量は0.3%前後であった。このときの実験条件はエレメント重量2kg、水蒸気温度105℃、抽出時間6時間で収量は約6g程度であり、エレメント形状、蒸留方法の違いによる大きな差は無かった。一般的に抽出によるヒバ油の収量は2~3%であるのに対して大幅に少ない収量となったため、抽出条件の検討が必要である。
また、得られたヒバ油は錯体を呈しており、装置の抽出系においてもヒノキチオールと反応したと思われる錯体の生成が激しく、鉄の露出を押さえる表面処理、あるいは他の材料に置き換えるなどの改良が必要である。
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