ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成10年度 業務報告 > 4.県産材を利用した住宅用エンジニアリング部材の研究開発
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予算区分 県単
研究期間 平成9年~10年
担当科名 木材加工科
担当者名 鈴木修治
昨年度は、斜め貼り構造用ボードの製造条件特にエレメントの配向角度について検討を行い、45°が適正な配向角度ではないかと、報告した。本年度は、ボード厚さについて検討するため、構造用合板をコントロールとし、釘の側面抵抗をもとに実験・考察を行った。
供試材 スギ(厚さ(t)=8,16,24mm 構造用合板(t=9mm)
供試釘 N50
実験条件 スギの場合の引っ張り方向(r)は木目と平行方向を0°とし、0,45,90の3条件とし、構造用合板ではr=0°で、繰り返しは10とした。なお詳細は ASTM D 1037 に準拠して行った。
構造用合板では、すべて釘が曲がることによって、測定不可能な状態になった。スギ板でこの様な状態になる傾向は、t=16mmから見られはじめ、t=24mmで多く見られた。
構造用合板では1621.3N(180.1N/mm)に対し、スギでの最大値はr=90°、t=24mmで1443.1N(60.1N/mm)であった。また単位長さあたりの最大耐力は、r=90°、t=16mmで79.5N/mm(Pmax:1272.7N)であった。
今回の実験条件ではソリッドなスギ板を使用しており、積層した場合の接着層の効果および、ラミナの積層方向を変化させた場合の接着層が繊維を保持する効果が期待されることで、実際のボードでの釘側面抵抗の最大耐力は向上することが考えられる。
したがって、実験結果および積層した場合を考慮すると、ボードの厚さは16~24mm程度が適当ではないかと考えられる。
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