ホーム > 連絡先一覧 > 石川県農林総合研究センター 林業試験場 > 刊行物 > 石川県林業試験場業務報告 > 石川県林業試験場 平成10年度 業務報告 > 7.森-川-海の共生メカニズムに関する研究(第3報)
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予算区分 県単
研究期間 平成8年~11年
担当科名 育種科
担当者名 矢田 豊・千木 容・宗田 典大
現在、地球規模での環境問題がクローズアップされてきており、森林の衰退・減少が大きな問題となりつつある。また、それに伴う森林以外の生態系等への影響の可能性についても様々な課題が浮上しつつある。昨年度は県内で初めて加賀市でナラ集団枯死被害が確認され、県内水源流域の主要林相のひとつであるミズナラ林への被害拡大が懸念されている。これらのことから、森林および関連生態系の健全性を保つための調査研究と、各種状況に対応可能な管理体制構築のための技術開発は、早急に取り組まなければならない最優先課題の一つであると考えられる。そこで本課題では、森林を含む流域生態系、そして沿岸海域生態系を「水の流れ」によりつながるひとつの環境単位として捉え、その中での森林の位置づけを明確にし、森林管理の役割を定量的に評価することを目標とする。
今年度は、1)水源地帯の森林成立に大きく関わる、樹木の耐雪性に関する画像解析調査(積雪期の継続測定を実施)、2)森林の現況把握に有効な、簡易GISソフトウェアの開発(平成12年度に公開予定)、3)ナラ集団枯損被害調査のための樹幹表面温度測定法の開発と被害林分での調査、などを実施した。
今回開発した樹幹表面温度測定法により、ナラ集団枯損被害に関わるカシノナガキクイムシの穿入(生存)木と未穿入木との間に、樹幹表面温度の差が認められた。本手法は、樹木の健全度を推定する目的で広く応用できる可能性もあり、今後さらにその有効性について検討を進めて行く予定である。
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