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輪島市白米町ロ字・ハ字・ホ字
指定面積 1万8136平方メートル
国指定名勝 平成13年1月29日指定
白米の千枚田は、奥能登の最高峰高州山の山裾が海岸にせまる、輪島市東部の白米町に位置する。付近一帯は、地すべり地特有の小凹凸地形を成し、高低差約50mの急斜地に小区画の水田が耕作されている。
白米の集落が記録上確認できるのは、17世紀以降のことである。貞享元年(1684)に発生した大規模な地すべりで、水田の大半が失われ、その後荒れ地のままで放置されていたが、明治期になって徐々に再開拓され、現在の形状に近づいていった、と伝えられている。平地が極めて少ない自然環境に立ち向かって生きてきた、奥能登の水田開発の歴史的遺産といえる。
水田一面あたりの平均面積は、約20平方メートルと狭小で、約2haの範囲に千枚を超える典型的な棚田景観が広がる。そのため「田植えしたのが九百九十九枚、あとの一枚蓑の下」等の古謡が地元に残り、人々に唄い親しまれている。また、古くからの農具が保有されており、伝統的農耕技術としての、田越し灌漑の畦切り法が今も行われている。
塗り上げられた畦の描く幾何学的文様と水の張られた田圃の照り映える景観は美しく、澄みきった夜の田毎の月の光景は人々を魅了し、多くの文芸作品や芸術作品の題材ともなっている。
近年、日本各地の棚田が、耕作条件の厳しさからその姿を消しつつある中、白米の千枚田は、景観・地すべり地形・耕地開拓史・国土環境保全等の各視点から、高い評価を得ている。
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