城内埋蔵文化財の調査(20年度)
本丸北側において確認調査(発掘調査。下図参照)を実施し、元和~寛永期の庭園遺構(池)を確認した。また、元和期以前の地形を追求する目的でボーリング調査を実施した。
調査期間 平成20年9月29日~12月12日(発掘調査)
- 本丸北側において、近世初期(1620年頃)の造成土を基盤とする庭園遺構(池)を確認した。
- 遺構の規模は、長さ22m、深さ2.0~2.5mを測る。
- 法面下端で長径95cm、高さ65cmの庭石を検出した。このほか庭石の一部と考えられる、様々な種類の自然石破片が多く出土した。
- 円柱形・方形を呈する坪野石製の石造物破片が出土した。坪野石は、石塔・手水鉢等に用いられる希少な石材で、城内では、玉泉院丸庭園周囲の石垣材や石樋にも使用されている。
- 遺構の廃絶は、寛永8年(1631)の大火後と推定される。
- 初期の庭園の位置を特定できたことで、本丸御殿付近の利用状況を推測する、新たな手がかりを得た。また、玉泉院丸庭園・兼六園に先行する事例として、城内庭園の流れをたどる上でも重要な遺構である。
- 平成19・20年度調査等の遺物について、記名・分類・接合・実測・トレース等を(財)石川県埋蔵文化財センターに委託して実施した。
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