城内埋蔵文化財の調査(19年度)
本丸及び本丸附段の2地点で調査を実施した。本丸北側では、元和~寛永期の大型の遺構を検出し、その広がり等について確認した。また本丸附段では、本丸への出入り口付近の構造・変遷について調査した。
調査期間 平成19年10月3日~12月6日
- 本丸北側では、昨年度までの調査で一部確認した、大型の遺構(元和~寛永期)について、その広がりや性格を追求するため、延長部分の調査(下記参照)を行った。
遺構は、深さ2.5m、長さ10m以上あり、大型の自然石や、石造物の破片等が検出されたことから、庭園の一部である可能性がある。次年度も引き続き調査を行い、遺構の性格を究明する予定である。
- 大型遺構より新しい遺構を二基確認した。このうち一基は白色粘土を底面に貼った遺構で、焼けた土壁等の出土状況から、宝暦9年(1759)の大火で廃絶したと推測される。絵図では方形の水溜状の施設として描かれ、「御泉水」との記載がある。
- 本丸附段では、本丸西側の堀が埋められた後(元和~寛永期)、本丸への通路が形成されたかどうかを確認するため調査を行った。調査の結果、硬化面を2面検出したが、通路である確証は得られなかった。
- 平成18年度調査の遣物(38箱)についての記名・分類・接合等および、平成17・18年度調査の遣物についての実測・トレース(215点)を(財)石川県埋蔵文化財センターに委託して実施した。
- 平成14~16年度の調査成果をとりまとめ、報告書を作成・刊行した。
<- 平成18年度の成果 平成20年度の成果 ->