城内埋蔵文化財の調査(18年度)
本丸及び本丸附段の5地点で調査を実施した。本丸北側の調査では、大規模な盛土造成を確認し、本丸拡張の過程について重要な知見を得た。また本丸中心部の調査では、初期金沢城期の遺構・盛土、三十間長屋台石垣等を検出し、付近一帯の変遷を知る手がかりを得た。
調査期間 平成18年5月11日~10月6日
- 本丸北側の調査で、高さ6m以上の大規模な盛土を確認した。出土遣物等から盛土は、元和期(1615~1624)に造成されたことがわかった。昨年度までの調査で確認した、東ノ丸附段の造成や、本丸西側堀の埋め立て等と合わせ、本丸周辺の縄張りが元和期にほぼ確定したことが明らかとなった(下記第3~5地点)。
- 本丸中心部の調査で、初期金沢城期の礎石建物を確認した。火災の痕跡や出土遣物から、寛永8年(1631)の大火で焼失したと考えられる。またこの下位にも遺構や盛土が累積しており、地山は現地表面から約1.6~2.Om下にあることを確認した(下記第1地点)。
- 本丸中心部の調査で、三十間長屋台石垣を検出し、寛永8年(1631)の大火後に創建されたことを確認した。またその南面の石垣が、17世紀後半(石垣編年5期)に、三階櫓台と同時に改修されていることを確認した(下記第1地点)。
- 本丸附段の調査で、昨年度に引き続き、本丸西側の堀と石垣(石垣編年1期、文禄期(1592~96)頃)を確認した(下記第2地点)。なお堀についてはボーリング調査を実施し、深さが約10mに及ぶことを確認した。
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